阪神・北條「トリさんに成長した姿を」交流戦中止…日本シリーズで憧れの先輩に見せる

 阪神・北條史也内野手(25)が18日、甲子園での自主練習後に球団広報を通して取材に応じ、今年の日本シリーズでロッテに移籍した鳥谷敬内野手(38)へ成長した姿を見せて恩返しすると誓った。17日に交流戦中止が決定したが、最高の舞台での再会に向け、自宅待機中は中日などで活躍した名手・井端弘和氏(44)の書籍から守備力アップのヒントを得た。花粉症も克服し、レギュラー奪取へ準備が整った。

 新たな決意が北條の体を突き動かす。コロナ禍拡大の影響を受けて、前日に交流戦中止が決定。心待ちにしていたロッテ鳥谷との再会はお預けとなったが、もっと大きな舞台での恩返しを約束した。

 「まだ開幕が決まらない中ですけど、シーズンが始まったらまずは阪神がリーグ優勝するために、僕がレギュラーとしてその輪の中で活躍して、日本シリーズでトリ(鳥谷)さんに成長した姿を見せたいなと思います」

 阪神入団以来背中を追ってきた鳥谷は憧れの存在だ。3月中旬、新天地へ移籍が決定した際も自らのスマートフォンを手に取った。

 「ロッテに決まったのを見て、2日後ぐらいに連絡しました。内容は秘密ですけど、返信してくれました」

 先輩へ雄姿を届けるため、レギュラー奪取は絶対条件だ。課題は守備力アップ。自宅待機中の自由な時間は読書にあて、ゴールデングラブ賞7度の名手・井端氏の書籍に夢中になった。そこには鳥谷との対談も収められており、金言の数々に体がうずいた。

 「トリさんとの対談とかあって、たまたまユーチューブで井端さんの守備の教え方の動画とか見たことがあって、本も読んでおもしろくて勉強になりましたし、早くグラウンドでそういうのを試したいと思っていました」

 練習自粛明けのコンディションは上々だ。自宅では自重トレ、素振り、ランニングに励み、愛妻料理のおかげで体重もキープ。さらに今春は毎年悩まされてきた花粉症を克服。オフからの対策が功を奏し「最高です。オープン戦は毎年やばかったんですけど、今年は全然なかったし、めちゃくちゃ効果ありました」と声を弾ませた。

 この日はマシン打撃(約200球)、ウエートトレーニングなど約2時間汗を流した。「やっと野球ができるなという気持ちと、世界中が大変な中でこうして球団の方に施設を準備していただいて感謝しています」。鳥谷の教えを継承し、木浪、植田との遊撃バトルに決着をつける。

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