阪神・近本 三塁打からの激走ホーム!2番で躍動 矢野野球の理想体現

 5回、適時三塁打を放った近本は塁上でガッツポーズ
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 「練習試合、阪神7-6中日」(8日、北谷公園野球場)

 阪神の近本光司外野手(25)が8日、新オーダーの2番で結果を残した。一時、勝ち越しとなる2点適時三塁打を放つと、持ち前の俊足を飛ばして浅いフライで生還。2020年の初戦で持ち味を存分に発揮した。矢野監督は今後も「2番・近本」を継続起用していく方針。指揮官が理想とする野球を2年目のスピードスターが体現する。

 待ちに待った“開幕”にファンは大盛り上がりだ。歓声、指笛、敵地スタンドの半分以上が黄色く染まる。2年目のジンクス…は、当てはまりそうもない。近本が打って走って、グラウンドを駆けた。矢野監督の思いを体現した「2打席」が、2020年シーズンを占うカギになる。

 1点差に迫り、迎えた五回だ。北條の四球、高山の左前打で一、二塁。2番・近本に打席が巡った。阿知羅の初球、115キロのカーブにセーフティーバントの構えを見せる。わずかにゾーンを外れて見送った。この1球に込めた真意を、近本が明かす。

 「やったろうかなと思ったんですよ。ストライクなら。ファウルでもいいかなくらいの気持ちでした」

 相手バッテリーを揺さぶり、立ち合いで優位に立つ。2球目、確信を持って、待った。「初球を見逃したので、直球が来ると思っていた。しっかり振り抜けたのが大きかったです」。1年の経験が成長を支える。打球は深々と右中間を破った。2者が生還すると、近本も悠々三塁まで進んだ。

 続く植田の打席では左翼線の浅い飛球で迷わずGO。間一髪のタイミングでホームを陥れた。近本で奪った3点。矢野監督も「素晴らしい打席」と絶賛する。その上で振り返ったのは1打席目。先頭の高山が中前打で出塁後、併殺崩れで一塁に残った。「ああいうふうにチカが残ることに意味がある」。チームに波及する相乗効果を期待し、当面は2番起用を継続させる。

 一方、中堅の守備では打球処理にもたつき、一走の生還を許す場面もあった。収穫と課題。実戦での全てがシーズンに向けた糧になる。「(1本出て)気分的には楽ですね。気分的には…」。沖縄の陽気とは裏腹に、笑みもなければ満足感もない。1カ月半後に迫る開幕。2番・近本が矢野野球の旗手となる。

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