矢野虎、全員で8万8千回のハイタッチ 監督発案サプライズファンサービス!

 「阪神秋季キャンプ」(17日、安芸)

 阪神が17日、安芸キャンプで矢野燿大監督(50)の発案による異例のサプライズファンサービスを行った。午後からメイン球場で矢野監督、コーチ、選手ら44人が、約2000人のファンと集合して記念撮影し、全員で計約8万8000回のハイタッチを行った。その後、選手はサブグラウンドに移動し、約400人に直筆サインも配布。虎党にとってはたまらない一日となった。

 憧れの人が目の前にいる。ファンの感動、興奮が歓声となり、安芸市営球場には笑顔の花が咲いた。メインイベントとなった矢野監督、選手ら44人と、ファン全員のハイタッチ。約8万8000回の乾いた音とともに、穏やかな時間が流れた。

 今回の企画は前日まで告知せず、ファンへのサプライズで開催された。発案者の矢野監督はファンの表情や反応を素直に喜んだ。

 「多くの人が時間もお金もかけて、キャンプを見に来てくれる気持ちっていうのは、本当に何ていうのかな…。(今回の企画は)『頑張って』っていう気持ちと、『応援してもらってるんだな』というのを、より身近に感じられるものになった。お互いにとってプラスだと思う」

 過去に例がないファンサービスは、紅白戦終了後の正午から始まった。約2000人のファンが記念撮影のために、メイン球場の右翼後方から入場。三塁から二塁へかけて、扇形を作った。

 準備が整うと、矢野監督、コーチ、選手ら44人が登場。大歓声に迎えられて、扇形の最前列に並ぶと、選手会長・梅野の音頭で記念撮影が行われた。

 撮影後、矢野監督は拍手しながら本塁へ移動。指揮官を先頭に44人は一塁線に整列し、ハイタッチがスタート。約50分をかけて、全員が手を合わせた。

 その後は、ウインターリーグに参加する4選手と、メディカルチェックで帰阪する青柳を除いた全選手がサブグラウンドに移動。約400人のファンに直筆サインを配った。

 約2時間のイベントは大盛況で終了。方針の3本柱の一つに「誰かを喜ばせる」を掲げる矢野監督は、満足そうな表情で振り返った。「これで選手のことを好きになってもらったり、球団のことを好きになってもらえたりね。お互いの絆っていうとアレだけど、関係が深まるようなことにつながると思う。やれてよかった」。直接触れ合うことで、ファンの支えを再確認。恩返しするつもりが、今まで以上に気持ちが引き締まった。

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