阪神奇跡6連勝!鳥谷とともにCSへ「人生において、一番の歓声でした」

 「阪神3-0中日」(30日、甲子園球場)

 猛虎の意地が結集した!阪神・矢野燿大監督(50)が執念のタクトを振り、奇跡の6連勝でレギュラーシーズンを締めた。勝率5割で並んでいた広島を抜き、貯金1の3位で2年ぶり8度目のCS進出を決めた。CSファーストSは5日開幕。この勢いを持続して、2位・DeNAが待つ横浜に乗り込む。今季限りでの退団が決まっている鳥谷敬内野手(38)とともに、矢野阪神の戦いはまだ終わらない。

 聖地が、涙でぬれる。歓喜の6連勝、奇跡への道だ。まだ、まだ共に戦おう。鳥谷は何度も声援に応えた。サヨナラではない。そして、まだ終わりでもない。だが、虎党は許さなかった。鳴りやまない鳥谷コール。「せっかく呼んでもらったので」。ベンチから再度飛び出すと、もう一度両手を上げた。

 最高のシナリオが用意されていた。3点リードの七回。代打で登場すると、ここは右飛に。クライマックスは、ここからだった。この日、一番の大歓声の中、遊撃に…鳥谷が目指し続けてきた場所へ。全力疾走で向かった。「遊撃からの景色も見られたし、よかった」。守備機会こそなかったが、逆転CSへの切符をグラウンド上でつかみ切った。

 家族に支えられた日々だった。昨年5月に連続試合出場がストップ。球場から家にかけた電話口では、奥さんが涙していたという。一緒に喜び、一緒に悲しむ…いつだって家族が味方だった。そして、最愛の子どもたちの何げない宿題が、鳥谷の心を優しく温めた。

 「息子の宿題で自由研究みたいなものがあってさ、俺のことを調べて提出してくれたみたいなんだよ」

 その背中は大きく、誰もの憧れ。だが家に帰れば、一人の父親だった。少し照れながら、その“作品”を眺めていると、ある部分に目が留まったという。「お父さんみたいになりたい」。今年6月の38歳の誕生日には、アイスケーキを家族みんなでつついたと笑う。家族の支えは、鳥谷の原動力だった。

 いつだってはい上がってきた。聖望学園時代から抱き続けていた、プロへの思い。それでも夢かなわず、早大に入学してからもただ目標だけを見つめて、乗り越えてきた。聖望学園の恩師・岡本監督とは再会するたびに、こんな会話になるという。

 「幸せな野球人生やな」

 惜しまれながら、ベンチへと帰った。「今日は人生において、一番の歓声でした」。右翼席に掲げられた横断幕。「いつかまた、共に闘おう!!永遠のヒーロー鳥谷選手、ありがとう」。甲子園にしばしの別れを告げる。日本シリーズでまた会おう。6連勝がつないだ奇跡のフィナーレ。続いていく、鳥谷伝説はいつまでも-。

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