「阪神７－６中日」（３０日、甲子園球場）

　阪神は、夏のロード前最後のカード初戦を劇的なサヨナラ勝ちで飾ったが、守備でのミス連発の内容に矢野燿大監督は厳しい指摘も忘れなかった。

　新外国人ソラーテの逆転２ランで劇的勝利となった試合。「サンキュウ！サンキュウ」と殊勲の助っ人を笑顔で迎えた矢野監督だが、試合後は冷静に試合を振り返った。「今日はミスが多すぎたんで、モヤモヤがずっとあった。監督として勝ったということは喜びたいんですけど、これで喜んでいいのかという自分と両方いる感じです」と複雑な表情で語った。

　この試合、阪神は４失策と守備が乱れた。５－４と１点リードで迎えた八回。ジョンソンを投入し、必勝パターンに入ったはずが、守備のミスから“方程式”が崩れた。１死で迎えた遠藤がマウンド上にフライを打ち上げたが、三塁に守備位置を変更していた糸原が痛恨の落球。その後２死一、二塁となり、堂上に左前打を打たれると左翼手・福留の悪送球もあり同点に追いつかれた。さらには京田の遊撃への内野安打で勝ち越しを許す。

　序盤から守備のミスが連発した。二塁で先発した糸原が初回に併殺時に落球して先制を許す。記録では失策とはならなかったが、痛いミスで始まった。

　さらには遊撃のソラーテが五回と六回に失策。六回はその後の２失点につながるミスとなった。他にも記録上は安打となった捕球ミスや盗塁時の甘いタッチなどチーム全体で守備の乱れが続いた。

　今季ここまで阪神の失策数は両リーグワーストの８３。シーズン１００失策を最後に記録したのは００年（１０１失策）だが、これを大きく上回る１２３失策ペースとなっている。