「阪神１－３ＤｅＮＡ」（２４日、甲子園球場）

　スタメン起用に応えるアピール弾だ。ＤｅＮＡ先発・浜口の前に二塁すら踏むことができない重苦しいムードが漂う中、五回１死走者なしで阪神・北條が打席に立つ。「真っすぐだけを狙っていきました」。カウント３－１からの外角直球を待ってましたとばかりにフルスイング。舞い上がった打球は浜風に乗って、左翼席に着弾した。

　「流れがよくなかったので変えたいと思っていた。何とか塁に出ようという気持ちだったけど、結果がホームランになってよかったです」。チームメートに手荒い歓迎を受けた後、ベンチに座るとホッとした表情を見せながら汗を拭った。

　「８番・遊撃」で２試合ぶりのスタメン出場。前日には久々に遊撃で先発した鳥谷が存在感を示した。この日は新助っ人のソラーテが初実戦となった２軍の練習試合で遊撃の守備を無難にこなした。そして同じポジションの木浪が初めてベンチから外れるなど、競争は激化してきている。

　「競争の中で結果を出していってくれるっていうのは理想。しっかり捉えたいいホームランだったと思う」と矢野監督は評価した。「競争というか、自分が出た時に、勝つために何ができるかを考えてやっていきたい」と北條は前を向いた。生き残りを懸けた戦いは続いていく。