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原口 240日ぶり甲子園 代打で登場“顔”で奪った同点劇

 「交流戦、阪神2-3日本ハム」(7日、甲子園球場)

 大腸がんの手術から復帰した阪神の原口文仁捕手(27)が、甲子園に帰ってきた。1点を追う六回2死二、三塁で、代打として今季初めて聖地の打席に立つと、必死の粘りを見せ、5球目に有原の暴投を誘って同点とした。打席では三振に終わり、試合にも敗れたが、背番号94が次の機会に爽快な一打を放つ瞬間を、虎党は待ち望んでいる。

 断続的に降り続く雨の中、この日一番の歓声が注がれた。代打・原口。スタンドから「お帰り」の横断幕が見える。打席に入る前に右翼席に一礼。「聞こえていた」と、声援を力に変えてバットを構えた。結果的には空振り三振。それでも“顔”で奪った1点が、最大の見せ場になった。

 ハイライトは2点ビハインドの六回だ。糸井、大山の連打と、マルテの四球で無死満塁。梅野は空振り三振に倒れたが、続く高山の一塁ゴロの間に1点を返した。なおも2死二、三塁。「代打・原口」のアナウンスに、球場は地鳴りのような歓声が響く。240日ぶりに立つ甲子園だ。

 「すごくありがたい声援をいただいた。またこうして、緊張感ある中で試合ができる。幸せに感じています」

 劣勢の展開でも、球場の空気が変わった。マウンドの有原に対して、2-2からの5球目。低めのフォークがワンバウンドした。捕手・石川亮がファンブルするのを見ると、すぐに三走・大山に向けて「こい、こい!!」とジェスチャーを送る。相手バッテリーの暴投を誘い、同点劇を演出した。続く6球目にバットは空を斬ったが、スタンドからは惜しみない拍手が注がれる。

 1月に大腸がんの手術を受け、今月4日のロッテ戦で1軍復帰。初打席で適時二塁打を放ち、完全復活を結果で証明した。昨季は代打で23安打を放ち、桧山氏が持つ球団記録に並んだ。勝負強さは健在。この日同様、矢野監督は今後も切り札として、投手の右左に関係なく最優先の起用方針を明かす。「大事なところでいくことが、これからも多くなっていくよ」。信頼は不変だ。

 だからこそ試合後の原口は、勝ち越せなかった敗戦を悔やんだ。「頑張っている投手に申し訳ない」。フルカウントから、空振りはボール球。我慢、我慢と言い聞かせながら、次戦での雪辱を強く誓った。「あの場面で使ってもらっている。結果を残さないと意味がないですから」。不屈の男の目に闘志が宿る。復帰がゴールではない。注がれる歓声に、バットで応えるだけだ。

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