【狩野目線】平成最後に鳥谷なお進化…練習法明らかに違う

 ティー打撃を行う鳥谷
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 デイリースポーツ評論家の狩野恵輔氏が、独自の視点からプレーを分析する「狩野目線」。開幕戦でサヨナラ勝ちの起点となる右越え三塁打を放った阪神・鳥谷敬内野手(37)にスポットを当てます。今年から打撃練習でフルスイングするなど練習法を変更した背番号1。安定から進化へ-。38歳を迎えるシーズンでの“挑戦”に、狩野氏が迫った。

  ◇   ◇

 今、鳥谷選手のバッティング練習を見ていると、明らかに例年と違います。フォームを意識せず、強く振ることだけを考えてボールを打ち返す姿。ティー打撃でもさまざまな打ち方を試しています。

 誰よりも試合前の準備に強い意識を持ち、何年も自分のルーティンを崩さなかった鳥谷選手。開幕第3戦の試合前練習後、本人に理由を聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

 鳥谷「今はレギュラーじゃないから、しっかり強く振るようにしている。レギュラーの時はフォームの形を固める、フォームを固定してバットを振るように意識していた。でも今は思い切って引っ張ったり、いろいろな打ち方を試してみたり。一日一日、考えながらやっている」

 この姿勢が代打で登場した開幕戦の延長十一回、サヨナラ勝ちの起点となる右翼フェンス直撃の三塁打につながったと思います。フルカウントからヤクルト・石山が投じた外角寄り、147キロの直球を力強く引っ張りました。

 レギュラー選手であれば、まず安定した結果を残すことが求められます。ルーティンを大事にし、毎試合、最高のスイングで4打席に立って結果を残すことが重要。でも代打は1打席勝負で、どんな打ち方をしようが最高の結果を出さなければなりません。自分も代打の経験がありますが、練習の仕方、準備の仕方はレギュラー選手とは違ってきます。

 ただ、鳥谷選手の準備に変化が生じているのは、単に役割の違いだけが理由ではありません。キャンプからここまで見てきて、感じているのはまだまだ進化しようという思い。今年で38歳のシーズンを迎えます。2000本以上の安打を放ち、確かな実績を積んできた選手が、この年になってもまだ高みを目指そうとしているのかと驚きすら覚えました。

 鳥谷「どんな時でも、どんな状況でもしっかり準備をする」

 このポリシーを貫く中で、新たな境地を切り開こうとしています。安定よりも進化-。こんなベテランの姿勢が矢野新監督、そして最下位からの巻き返しを目指すチームに大きな1勝を呼び込んだのだと思います。

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