「阪神春季キャンプ」（１３日、宜野座）

　４番としてのスタートを切る。阪神の大山悠輔内野手（２４）が初の対外試合となる１４日の楽天戦に「４番・三塁」で出場する。「自分のできることをやるだけだと思います」。矢野阪神の“初陣”で、若き主砲が中軸を担う。

　早出特打に練習後は個別特打…。一人黙々とマシンに向き合う日もあった。今キャンプは時間の許す限り、振り込みを敢行。そんな中、いよいよ対外試合を迎える。「１打席、１打席。１球、１球を大事にしたい」。意気込みは十分。ここから大事になってくる、１試合ごとの重みは分かっている。

　ここまで紅白戦２試合とも４番として出場した。結果は７打数３安打で３打点。そんな主砲候補の成長を、厳しく、そして優しく見守るのは矢野監督だ。大山の４番定着は、指揮官も理想に掲げている。ただ競争を促している方針の中で、特別扱いはしない。

　「悠輔自身が奪い取っていくもの。よくなければ代える」

　良いも悪いも経験してきた２年間。大山も静かに表情を引き締めた。「まだまだレベルが低いなと思っているので、レベルを上げていかないとやっていけない」。経験を積み、飛躍を誓うプロ３年目の今年。自らが課す「軸」という目標に、一歩ずつ近づいていく。