阪神の藤浪晋太郎投手（２４）が、ＦＡで新加入が決まった西勇輝投手（２８）の“アテンド役”を志願していることが１６日、明らかになった。谷本修球団本部長（５４）が明かしたもので、鳴尾浜や甲子園など施設見学の際に同行する予定。２人は侍ジャパンでチームメートとなるなど親交があり、西がスムーズにチームに溶け込んでいけるよう環境を整えていく。

　一日でも早く西が阪神に溶け込んでいけるように。谷本球団本部長は「日本代表で一緒になったことがあるんですかね。藤浪くんが一緒に（甲子園や鳴尾浜に）行きましょうと言ってくれているみたいで。非常にありがたいですね」と藤浪がアテンド役を買って出ていることを明かした。

　その事実が分かったのはＦＡ交渉の席。言葉を交わす中で、西本人から伝えられたという。藤浪には契約更改の際に「ありがとうと言いました」と同本部長。すでに西には甲子園や鳴尾浜といったトレーニング施設の使用許可を出しており、今月下旬に出発予定のハワイ自主トレ前に汗を流すことが可能だ。

　移籍が決まったばかりだけに、旧知の藤浪のサポートがあればストレスも軽減される。例えばチームによって使用するトレーニング機器なども異なるだけに、ささいなことでも質問できる藤浪の存在は、西にとって大きいと言える。

　さらに谷本本部長は「藤浪くんもすごく大人になったんだなと思います。自分のことだけではなく、周りが見えていると言いますか。まだ年齢的には大卒２年目なのですが」と若き右腕の姿勢を高評価する。ここ３年は成績が低迷し、自らのことで頭がいっぱいになっても不思議ではない。そんな中、自分の時間を割いて新加入の右腕に気配りができるのは人間的にも成長している証拠だ。

　藤浪にとって西は先発ローテを争うライバルになる。それでもチームが最下位から巻き返し、矢野新体制のもと０５年以来の優勝を目指すために、背番号１９がサポートしていく。