「フェニックス・リーグ、斗山３－４阪神」（２３日・生目の杜運動公園第２野球場）

　白星発進だ。縁起のいい祝砲２発。高山が、江越が、門出を鮮やかに彩った。若虎が見せた執念。追いついて、追いついて、勝ち越した。「勝ち負けは関係ないけど、気分いいね」。平田２軍監督が笑顔の“初”采配だ。

　期待をかける若虎がやってくれた。まずは１点を追う四回の高山弾。５球目に鋭いスイングで反応した打球が左翼ネットを揺らした。さらに八回。またしても１点を追う展開で今度は江越の番だ。フルカウントから内角のボールを気持ちいいほどにフルスイング。二人の一撃で試合を２度も振り出しに戻した。

　「久しぶりに見るよ、２発なんて。江越のホームランは余韻に浸っちゃったよ」

　平田２軍監督もご満悦の会心弾。それでも試合後の二人は敷地内のドームへ直行した。「続けていきたい」とは江越。再びバットを振り込み、その後も充実の汗を流した。

　試合後、指揮官はボールを手にしていたが「これは高山のホームランボールだよ」。あえてウイニングボールはもらわなかった。笑顔の先に描く未来へ。平田２軍監督の戦いが幕を開けた。