辞任の金本監督 周囲の雑音は「タイガースの監督の宿命。覚悟の上」

 阪神の金本知憲監督(50)が今季限りで辞任することが11日、決まった。金本監督は午後1時から西宮市の球団事務所で会見。スッキリした表情で時折笑顔も見せながら質問に答え、その後は囲み取材に応じた。シーズン終盤には成績不振で厳しい批判にさらされたが「タイガースの監督の宿命。それはもとから覚悟の上。気にならなかった」と話した。

 金本監督は15年オフにチームの抜本的改革を託されて就任。2年目の昨季は2位に躍進し、期待を抱かせたが、今季は終盤に故障者が相次ぎ01年以来17年ぶりの最下位が確定していた。

 以下は監督との一問一答。

  ◇  ◇

 -辞任を決断したのは。

 「昨日の試合後ですね。伝えたのは(揚塩)社長の方です」

 -決断の理由は?

 「成績不振です」

 -いつぐらいから考えていたのか。

 「最下位が決まったぐらいから」

 -揚塩社長からはどんな話があったのか。

 「もう少し頑張ってみればと言われましたが、僕の意志が固かったです。やり残したことも多々ありますけど、結果の世界ですので。何より最下位という、そこですよね」

 -3年間指揮を執ってみてどうだったか。

 「しんどかったのが一番。若い選手が活躍してくれるのはうれしかったし、僕の方がわくわくして楽しい思いはありました」

 -今後のチームに期待することは?

 「一緒にやった選手、若手が一人前になってほしい。われわれが、教えたことを肝に銘じて一人前になってもらいたい」

 -今後どうするのか

 「何も決めてない。ゆっくり疲れをとりたいというかね」 

 (囲み取材で)

 -育成に重きを置いた中で指揮を執ることは難しかったと思うが、途中で辞任というのは。

 「やり残したことは多々ありますけど。結果の世界ですからね」

 -育成というのは志半ばなのか。

 「それもあります」

 -去年は星野さんのパーティーで「あと2年見守ってください」と言われたが。

 「何より最下位という。そこですよね」

 -家族に相談は。

 「してないですよ。全部1人で決めるので」

 -ある程度、長期的なスパンでチームを再建することを考えていたのでは。

 「そうですね。10年かかるところを5年以内でという僕の中でのぶれない目標ではあったんですけど。選手もケガとか伸び悩んだりしたことがあったので。それもわれわれ、現場の責任ですしね」 (続けて)

 「そういう選手は何とかという姿、上手くなりたい、レギュラー獲りたいとかそういう気持ちを前面に出してやってくれていたんですけどね。なかなか。改めて育成と言うのは…言葉が難しいな。出る選手は簡単に出るし、スッといくし。年数が掛かる選手もいるし」

 -最下位が決まる神宮まではある程度、来年のことを考えながらだった。

 「そうですね。神宮の最下位。そのころからちょっと、最下位やばいなというのはあったからね」

 -昨日は甲子園のファンに直接あいさつをした。

 「昨日のあれとは全く。辞める辞めないの深い意味はなかったけどね。本当に昨日は謝罪メインのあいさつでしたけど。僕の中でね」

 -成績が伴わない中で周囲の雑音も耳に。

 「そうですね。それはタイガースの監督としてやっている宿命ですから。それはもとから(監督を)受ける前から覚悟の上でね。いろんな雑音の中でやっていくのがタイガースの監督ですから。それは特に気にならなかったですね」

 -同じ時期に就任した高橋監督が辞任されましたけどその辺も。

 「まあでも、巨人は3位ですからね。元々のスタートというのが高橋監督と僕では違うところがありましたし。でもやっぱり結果が問われるのは巨人も阪神もそこは一緒だと思うので。巨人は3位でも辞めないといけない。僕なんか最下位ですから」

 -一緒に戦ってきたコーチや選手には辞任を伝えた。

 「まだ伝えてないですね。僕が頼んだコーチにはすぐに伝えましたけどね。選手にはまだ、誰にも」

 -オーナーとは話したのか。

 「まだできてないんですけどね」

 -甲子園の最終戦の前に意向を伝えようと考えていた。

 「それはなかったですね。最後、甲子園で勝たないといけないというのがあったから。そこまで頭が回らなかった」

 -金本監督にとって指揮を執った3年間は。

 「しんどかったというのが一番。逆に若い選手がいい成績を残してくれた時とかはうれしかったし、逆に僕のほうがワクワクしてね。よくなってくれよとかそういう楽しい思いとかもあったし。藤浪がやっと完封してくれてね。こっちがワクワクしていてね。よし。やっとつかんでくれたなというね。そういう楽しさはありましたよね」

 -残る選手に伝えたいことは。

 「やっぱり一緒にやった選手には一人前になって欲しいし。競争ですから、全員レギュラーというわけにはいかないですけど、誰か我々が教えたことを肝に銘じてね。それをもとに一人前になってほしいというのがありますね。さみしいじゃないですか。僕が教えた選手が誰もレギュラーにならなかったら」

 -今の若い奴は違うとよく聞くが、監督自身は感じたりしたか。

 「そうですね。世間ではよく今の子は今の時代はと言われますけど。僕らも若いときそう言われてましたから。そういう今の子だからこう扱わないといけないというのはうちの選手に関してはなかった。本当にみんなガッツがあって素直に言うことを聞いてくれたりだとか。頑張って。僕はそう感じるんですけどね。僕ら二十歳の頃は新人類と言われてましたから。当時僕らも今の子は今の子はと言われてましたから。そういうのは実際感じなかったですね」

 -今後の予定は。

 「何も決めてないですよ。ゆっくり疲れをとりたいというかね」

 -13日の最終戦(中日戦)は指揮を執る。

「はい」

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