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大山 プロ初1試合2発 絶妙セーフティー含め猛打賞 見せ場作った

 「阪神6-7中日」(11日、甲子園球場)

 着弾点を見届けても、目には力が宿ったまま。ゆっくりと三塁ベースを回る。阪神・大山の視界に飛び込んできたのは、うれしそうな金本監督に、喜ぶ仲間たち…。今季甲子園1号だ、それも2本も打った。駆け足でみんなの元へ、ようやく笑った。

 その完璧すぎる弾道は、一瞬の静寂を生んだ。美しすぎるフルスイングに、観衆も息をのむ。5-5の七回。3ボール1ストライクからの5球目だった。真ん中低めの151キロ直球を狙った。強振にはじき返された打球は、勢いを落とさない。この日2本目は左翼・アルモンテもすぐに追うのをやめた完璧な一発。一振りで試合の主導権を握った-はずだった。

 輝くための伏線があった。四回には、先頭打者として追撃のソロ本塁打。五回には三塁線に絶妙のセーフティーバントを決め、内野安打をもぎ取った。これが同点に追いつく起点となり、チームに流れを呼び込んだ。今季4度目の猛打賞に、“マルチ本塁打”だ。1試合2本のアーチは、プロ2年目で初めてのことだった。

 ウエートへの姿勢が変わってきた今季。連戦の中で課されるトレーニングも過酷になり、体は悲鳴を上げていた。「いや、今日もいきます」。トレーナーから休みを提案されることもあった中で、自ら体を“いじめること”を選択。その努力が、2本の弾道を力強く後押しした。

 「勝ち負けがすべてなので。最終回に塁に出られなかったのが反省。そこがすべてだと思います」

 1点差で迎えた九回2死、大山は最後の打者となった。3度目とはならず、あとひと伸び足りなかった左飛に唇をかむ。チームは逆転負け。白球がグラブに収まるのを見つめると、天を仰いだ。感情をぐっと押し殺した試合後。こみ上げる悔しさを胸に秘め、その表情はうつむいたままだった。

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