才木、リベンジ鯉倒!6回3安打1失点、ねじ伏せた 初のマツダスタジアムで躍動

 「広島3-13阪神」(6日、マツダスタジアム)

 見渡す限り真っ赤だった。初めての敵地・マツダスタジアム。対するのは強力カープ打線。そこに立ちはだかった阪神・プロ2年目の才木浩人。「向こうのチャンスで声援は大きくなりましたけど、僕が応援されている気分でした」。そう、彼は相手が強ければ強いほど燃える男だった。

 緊急事態なのか…。球場全体がひやりとしたのは五回。無死二塁から、8番・磯村を迎えたところだった。2球目。144キロの直球で空振りを奪うと違和感を覚えた。「足がつりそう」。香田投手コーチとトレーナーも駆けつけ、いったんはベンチへ。だが、治療を済ますと、再びマウンドへと向かった。圧巻はここから。カーブを要所で使い始めた中での直球勝負で、3者連続三振だ。

 今季これで5勝目。王者・広島には2勝目と、存在感は際立っている。そんな中で家に帰れば、うれしい頼まれごとも増えている。どっさりと置かれているのは、まっさらな色紙。1枚、1枚丁寧にしたためる。「そんなこと去年はなかったんで、やっぱうれしいですよね」。家族に寄せられた知人からの“おねだり”にも、サービス精神旺盛な男にとっては、ただただ誇らしかった。

 借りを返す戦いだった。前回広島と対戦した8月15日。3回2/3を4失点でKOされた。先発としてはプロ最短での降板。味わった屈辱は忘れない。「やり返したい」。その思いは形となり、6回3安打1失点。自己最多タイとなる9奪三振の快投を生んだ。

 試合途中から降り注いだ雨。「野手の方にたくさん点を取ってもらって、投げやすい環境で投げることができました」。若き右腕が頼もしい仲間と共にねじ伏せた。球場以上に赤く、赤く-。才木の熱き思いが燃えていた。

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