「巨人４－７阪神」（７日、東京ドーム）

　バット１本を手に、帰り路を急いだ。勝利の余韻に浸ることなく、阪神・糸井嘉男外野手（３７）は前だけを向いて歩いた。「明日、明日」。つなぎの一打にダメ押し適時打で、２安打２打点、３出塁。４番のバットが勝利を呼んだ。中軸３人で５安打７打点だ。

　初回、１死一、二塁。内海の２球目、内寄りのシュートをフルスイングした。強烈な打球が瞬く間に一塁左を抜ける。満塁の好機を作り、ロサリオの満塁弾を呼んだ。さらに五回、北條、福留の連続二塁打で１点を追加。糸井も続く。中堅フェンス直撃の適時二塁打で左腕をＫＯした。

　「福留さんが勢いを付けてくれた。そういういいバッターが前にいますからね」

　打率は再び、チーム規定打席到達者の中で唯一の３割に。対左には同・３６７とハイアベレージを残す。スタメン復帰後は３戦連続安打＆打点。間違いなく３連勝の立役者だ。打点を挙げれば６連勝。ヒーローを助っ人に譲った一戦で、４番のバットは欠かせなかった。