糸井 右足腓骨に亀裂、骨折も球宴強行出場へ

 阪神は3日、6月30日のヤクルト戦で右膝付近に死球を受けた糸井嘉男外野手(36)が、前日に大阪市内の病院で全治未定の「右足腓骨(ひこつ)骨折」と診断されたと発表し、出場選手登録を抹消した。ただ正確には亀裂骨折とみられ、選手間投票で選出されたオールスターについては現時点で「未定」と、今後の回復具合を見て判断する方針。球宴を辞退すれば後半戦開幕から10試合出場停止となるため、7月中の1軍復帰という選択肢を残し、治療を進めていく。

 ドクターの診断を見れば最悪の結果なのかもしれない。ただ、糸井は決して早期復帰の道を諦めていなかった。「右足腓骨骨折」という診断は長期離脱を連想させるが…球団はオールスター出場については現時点で「未定」と発表した。

 その理由は野球協約第86条(出場選手の自動抹消)にある。選手間投票で球宴に選出されていた糸井が出場を辞退すれば、所属球団の球宴試合終了直後から10試合を終了する翌日まで再び出場選手登録を申請することはできないと記されている。

 このルールが適用されれば最短で7月28日からの復帰となるが、球宴明けはすべて屋外球場でのゲームが組まれている。雨天中止などにより消化できない場合は、その試合分だけ再登録がずれ込むことになる。それを避ける意思が糸井を含めてチーム内にあることは、7月中に復帰できる可能性を如実に物語っている。

 金本監督は「骨に傷はあるんだけど、そんなに長引かないだろうという場所だから」と明かした。診断名は骨折でも、正確には亀裂骨折とみられ、長期離脱は避けられそうな見通し。6月30日のヤクルト戦で死球を受けて途中交代したが、試合後も自力歩行でクラブハウスに引き揚げていた。

 「不幸中の幸い?そうやね」と語った指揮官。打率・301、10本塁打、40打点とチーム3冠の成績を残していた糸井の抹消はチームにとって痛い事実には変わりない。超人を欠いた打線は甲子園での連敗を止められず、最下位の中日に手痛い星を落とした。ただ、シーズンの折り返しを過ぎ、残り試合が半分近く残る後半戦開始直後に超人が帰って来る可能性があることを考えれば…そこまで悲観する状況ではない。

 昨年も7月に右脇腹を痛めて出場選手登録を抹消された際には、痛みをこらえながら首脳陣の前でフリー打撃を行い、出場を直訴したというエピソードも残る糸井。試合に出るという強い意志は誰よりも強い。周囲も驚くような超人的な回復力を発揮し、1日も早く1軍の舞台に帰ってくるはずだ。

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