ドラ5谷川、両親の前でプロ初勝利 満塁ピンチ切り抜け1回0封

 「交流戦、西武5-10阪神」(2日、メットライフドーム)

 スタンドには、思いを届けたい人たちがいた。偶然なのか、必然なのか-。阪神のドラフト5位・谷川(九州三菱自動車)が両親の見守る前で、プロ初勝利を挙げた。「これだけ早くくるとは思わなかった」。中継ぎマウンドとなった2度目の登板機会。ピンチを背負いつつも、1イニングを投げ抜いた。

 出番は2点ビハインドの五回。先頭の山川に「反省したい」と振り返る不用意な初球を左前にはじき返されると、その後2四球で2死満塁。大ピンチとなったが、最後は高いバウンドの二塁へのゴロで、俊足・金子侑を間一髪のアウトに仕留めた。同級生の二塁・糸原にも助けられ、無失点。ピンチの芽を摘み取り、ビッグイニングを呼ぶ攻撃へとつなげた。

 プロ野球選手になりたいという夢がありながらも、プロ志望届を出したことはなかった。自分は無名選手。それでもコツコツと練習を積み重ね、光を浴び始める。社会人日本代表にも選出された。母・貴子さんが「宝物だ」と話すJAPANのユニホームは、今でも大切に福岡県の実家に飾られている。

 そしてこの日、谷川家の宝物がまた一つ増えた。山崎から受け取ったウイニングボール。プロ野球選手として、初めて手にした記念球だ。「両親にあげたい」。そっとしのばせたバッグをポンポンとたたいた谷川。誇らしげに、そして無邪気に笑った。

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