「広島７－５阪神」（２８日、マツダスタジアム）

　頼みのクリーンアップが調子を上げてきた。阪神は糸井嘉男外野手（３６）が初回の先制タイムリーや、五回の４号２ランなど今季初猛打賞となる３安打３打点と活躍。４番のウィリン・ロサリオ内野手（２９）も今季２度目の３安打猛打賞。９連勝の初戦は敗れたが、きょうこそやり返す！

　チームが敗れたことで、決して表情を緩めることはなかった。それでもロサリオの言葉からは確かな手応えが感じられた。「しっかり自分のポイントでつかまえることができた」。来日２度目の３安打は、間違いなく状態が上がっていく兆しだ。

　開幕から安打こそ出ていたが、逆方向へ流し打ったヒットや詰まりながらも間を抜ける打球が多かった。だが三回無死一塁の第２打席で内角寄りのカットボールをフルスイングで捉えた打球は、あっという間に左翼の左を破っていった。

　二塁打でチャンスを拡大すると、続く第３打席もフルスイングで力強く引っ張った。痛烈な打球は捕球体勢に入った三塁・安部の前でバウンドし、思わずのけぞったほど。九回の第５打席は顔の高さに抜けたフォークにバットを止めかけた形になったが、当たるポイントがよかったことで中前へ抜けた。

　「毎日やっていることができるようになってきた」とロサリオ。不振にあえいだオープン戦からボールとバットが当たる理想の位置を追い求めてきたが、答えは出つつある。

　打率は・２７７へ上昇し「チームが勝つためにしっかりやりたい」と力を込めた主砲。フルスイングする中でボールを捉えることができれば、おのずと周囲が待ち望むアーチも増えてくるはずだ。