糸井、今季初聖地弾 中押し&ダメ押し4打点 ベテランが貧打ムード打ち破った

 「阪神8-3ヤクルト」(15日、甲子園球場)

 甲子園球場が揺れた。今季、聖地初本塁打で、初のお立ち台。4万4359人の大歓声は、阪神・糸井嘉男外野手の胸に響いていた。悔しさを力に変えた一発。2安打4打点。「すごい声援の中で打つのは、気持ちいいですね」と笑顔がはじける。超人のフルスイングで連敗を止めた。

 「チャンスで打てなかったのでね。ストレートに合わせて自分のスイングをすることだけ考えていた」。試合後、冷静に振り返ったのは四回だ。初回は四球で歩き、二回は2死一、二塁で投ゴロに倒れた。2死から鳥谷が左前打で出塁し、迎えた3打席目。初球、直球を狙い澄ました。

 外寄り144キロの直球。力勝負で勝った。放物線を描いた打球はバックスクリーン一直線。右から左に吹く浜風にも乗り、ゆっくりとフェンスを越えた。リードを3点に広げると、さらに七回だ。2死一、二塁。2-2から7球目、外寄りのシンカーを狙った。右中間を深々と破る、ダメ押しの2点適時打だ。

 「2点…」と振り返った移籍初年度。優勝できなかった悔しさが、自己採点を厳しくさせた。「FAで阪神に来た。チームが勝つために補強されている」。求めるのは試合を決める一振りだ。「僕の中で最高の左バッター」と話す金本監督からキャンプ中、食事に誘われた。鉄人と超人。「まだ緊張するよ」と笑うが、心に響いた。

 「試合後に素振りを1時間くらいやってはったりとか。毎日試合がある中で簡単にできない。年齢を重ねてキャリアハイはすごい」

 オフは浜風に負けないスイングを目指し、さらなる筋力アップにも励んだ。37歳シーズン。指揮官が打率、本塁打、打点でキャリアハイの成績を残した05年と同じ年齢だ。「連敗していたので、絶対に負けられなかった。まだ、まだ頑張ります」。チームトップの3号は序章にすぎない。自己最高の自分を追い求めた先に、13年ぶりのリーグ優勝が見える。

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