「阪神７－９中日」（８日、京セラドーム大阪）

　阪神は最大４点のビハインドから、一時勝ち越しを決める展開。接戦にもつれ込んだだけに、勝負どころでのミスが目立った。投手陣全体で７四死球。今季初先発の能見は自らの失策を悔やんだ。４回１／３を５失点（自責点１）。粘りの投球は実らなかった。

　「失策が付いてしまったので。捕らないといけなかったです」

　五回だ。１死無走者で大島。打球は一塁ベース際に飛んだ。ロサリオがファウルゾーンに走りながら捕球すると、回転して素早くベースカバーに入った能見に送球。だが、わずかに右にそれた。左腕は体をねじらせて捕ったが、グラブの中で球が浮きセーフとした。

　記録は能見の失策。ここから京田、アルモンテの連打で勝ち越しを許すと、ビシエドにストレートの四球を与えて降板した。「昨年とは投げている感覚も違う」と、直球を軸に３つの見逃し三振を奪う粘投。それだけに、香田投手コーチも「３－１のプレーが悔やまれるね」と指摘した。

　代わった石崎は３四死球。２死満塁から高橋の打席では、坂本のパスボールもあった。勝ち越した直後の八回には、マテオが連続四球から４失点。金本監督は「気を引き締めないと」と守備全体に怒りを向けた。

　「この３連戦を見ても初戦の押し出し、暴投、投内連係。これがモロに点をあげているよ」。６日の中日戦も藤浪の失策と押し出し四球が敗因となった。昨秋、今春のキャンプから徹底的に鍛えてきただけに、結果につながらない現状がもどかしい。「反省して切り替えて次、頑張りたい」とはマテオ。引き締めて首位・広島戦に向かう。