藤浪 直球とカットで原点回帰 もう迷わない! 絶対的球種磨いて復肩へ

 宮崎に向けて出発する藤浪(撮影・北村雅宏)
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 阪神・藤浪晋太郎投手(23)が18日、みやざきフェニックス・リーグに参加するため、伊丹空港から宮崎入りした。完全復活を期す来季に向けて、意識するのは直球とカットボールを駆使した“原点回帰”の投球。今回のCSで得た手応えも胸に、大きな一歩を踏み出す。

 もがき、苦しみ抜いた17年シーズンは終わった。一生忘れられない試練の記憶は、未来への糧となる。藤浪が伊丹空港の搭乗ゲート前で語ったのは“原点回帰”への決意。最速160キロの真っすぐに、打者の手元で鋭く曲がるカットボール。自信のある2つの球種をもう一度、磨き上げる。

 「自分はそういう投手。基本的に軸はそうなると思います。ちょっと(他球種を)覚えたくらいで、勝負球にすることはできない」

 DeNAとぶつかった17日のCSファーストS第3戦(甲子園)で2回1安打無失点。六回からマウンドに上がり、藤浪コールが響く聖地で快投を演じた。「短いイニングだったので、多くの球種はいらないと思いました」と直球、カットボールで打者を圧倒。忘れかけていた本来の自分を取り戻しているかのようだった。

 大阪桐蔭で春夏連覇を果たし、プロ入り後は3年連続で2桁勝利を達成。絶対的な2つの武器を頼りに、飛躍の階段を一気に駆け上がった。しかし、5年目の今季は3勝5敗で防御率4・12。2年連続で2桁勝利を逃すと同時に、死球から大崩れする場面も目立ち、2軍の鳴尾浜で泥にまみれた。

 昨オフは3月に開催された第4回WBCを想定し、ツーシームなど“動く球”の習得にも力を注いだ。外国人の強打者に対する投球術は現在にも生かされている。今オフは来季の開幕へ一直線に準備できる。今一度、原点に戻る覚悟だ。

 「新しいこともできますし、今までやってきたことを続けることもできると思います」

 ワインレッドのネクタイを締めた右腕はこの日、他の若手選手と共に宮崎へ入った。「これからですね」。大歓声に背中を押された前夜のマウンドが、復肩への号砲となる。もう迷うことはない。

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