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安藤「幸せ者です」有終9球締め! 唯一の心残り日本一託して

ナインから胴上げされる安藤(撮影・持木克友) 
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 「阪神6-1中日」(10日、甲子園球場)

 温かい拍手と声援に包まれる。ありがとう、と声が飛ぶ。阪神・安藤はグラウンドを一周し、ファンと握手を交わした。苦しいことがあっても、諦めずに良かった。「憧れの甲子園で最後、ユニホームを脱げる。私は幸せ者です」。セレモニーで響かせた感謝の思い。その言葉しかない。

 金本監督に白球を託された八回。先頭の石川にまさかのソロ弾を浴びたが、続く野本を三ゴロに。現役最後のマウンド。幼い頃から夢見た場所。「最後に楽しめました」。ありったけの思いを込めた9球で締めくくった。

 2度のリーグ優勝に貢献したタテジマ一筋16年。たくさんの人が助けてくれた。「40の年まで現役でいられるとは夢にも思っていませんでした」。支えは一つに絞れないが、ずっと忘れず、大切にしてきた言葉がある。

 「嫁が言ってきたんだよ。あれがなかったら、今の自分はないと思うから」

 大学4年の秋、地元の大分銀行に就職が決まっていた中、トヨタ自動車に進むチャンスが生まれた。プロの夢を追い続けるかどうか。結婚前だった夫人に背中を押された。

 「夢があるのに、挑戦しなくていいの?」

 「5年後、10年後に絶対に後悔するよ」

 その言葉で再び夢を追えた。大分銀行に断りを入れ、トヨタでの2年で飛躍を遂げ、阪神に入団。「嫁が言ってくれなかったら諦めてたし、あのまま就職していたら今頃、絶対後悔したと思うから」。一度は諦めたプロの世界で戦える幸せ。苦しくても、前を向けた理由がそこにある。

 セレモニーでは、2人の愛息から花束を受け取った。夫人も見守ってくれた。「嫁は家で野球の話をしないけど、それが俺には良かった。打たれた時も普通で。それに救われてた」。いつも支えてくれた家族とこの日を迎え、仲間の手に支えられて甲子園の空を6度舞った。幸せだった。

 「一つだけ心残りがあります。3度の日本シリーズに出場しながら、一度も日本一になれませんでした。唯一の心残りです」

 ファンを愛し、愛され、夢と共に全力で駆け抜けた16年。「今年日本一になってくれたら、現役中に日本一になれたって言えるので(笑)」。夢の続きは後輩に託し、笑顔で甲子園に別れを告げた。

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