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狩野、聖地で舞った 江草から二塁打…安藤とバッテリー…虎一筋17年「引退試合」

 「ウエスタン、阪神4-4広島」(27日、甲子園球場)

 今季限りでユニホームを脱ぐ狩野恵輔外野手(34)の引退試合が27日、ウエスタン・広島戦(甲子園)で行われた。「4番・DH」で先発出場し、八回に元同僚の江草仁貴投手(37)から二塁打を放つと、最後には捕手としてマスクもかぶった。試合後の引退セレモニーでは、集まった6805人のファンに感謝の思いを伝えた。

 タテジマの輪ができた。大きな輪だった。狩野自身が最後の最後まで目指した大切な場所で、甲子園の空に舞った。思いが詰まったホームベースの上で5度、笑顔の胴上げだ。「キャッチャー、狩野で終われた」。最後の姿は、晴れやかだった。自分で自分を描き切り、17年間のプロ生活に別れを告げた。

 九回2死走者なし。ベンチからマスクをかぶって現れた狩野がダイヤモンドの中央に向かい5番手でマウンドに上がった安藤と固く握手した。最後の花道に選んだのは「捕手」のポジションだった。2009年の開幕バッテリーを務めた2人。堂林を空振り三振に打ち取り、この日一番の大歓声が巻き起こった。

 バットでもガチンコ勝負で魅せた。八回の第4打席、同じく引退を表明し阪神時代にはバッテリーを組んだ江草がマウンドへ。その4球目を捉えた痛烈な打球は、左翼線への二塁打になった。「最後のヒットが江草さんでよかった」。両者に送られた大きな拍手に包まれて、この4球限りで降板した江草とそっと抱き合った。

 「大声援は、一生の宝物。これからも自慢していきたい」。試合後のセレモニーでも送られ続けた大歓声、そして温かい拍手は忘れない。虎一筋で生き抜いた17年。苦しいこともたくさんあった。故障に苦しみ、外野手にも転向した。それでも愛するファンのために全力を尽くし、ファンからも愛された男だった。

 最後の瞬間まで、晴れやかな笑顔で満ちあふれていた。登場曲であるSuperflyの「99」が鳴り響く。「私が私を描こう、ギリギリで ギリギリで、人は生まれ変われるの」-。大好きな甲子園でラストプレーを終えた。「キャッチャーで終わりたい」。最後までその思いを貫いて。

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