糸井、完全復活弾!超人フルスイング、スタメン復帰即猛打ショー

 「中日4-10阪神」(18日、ナゴヤドーム)

 まるで獲物を狙う猛獣のように、白球を力強くしばき上げた。6-1の七回1死。阪神・糸井嘉男外野手(36)が3番手・笠原の直球を豪快にフルスイングし、右翼席最前列に9号弾を突き刺した。チームが、ファンが待ちわびた超人の完全復活。逆襲の鐘が高らかに鳴った。

 右脇腹筋挫傷から復帰後、この日は「3番・右翼」で初スタメン。初回2死から右翼線を鮮やかに破る二塁打を放ち、3点先制の口火を切った。二回にも再び二塁打を打ち、極めつきは7月2日・ヤクルト戦(甲子園)以来35試合ぶりの一発だ。復帰2戦目で今季4度目の猛打賞。躍動した背番号7に、金本監督の言葉も弾んだ。

 「糸井がきっかけで3点入って。得点に絡む一打を打ってくれてね。そこですね。まだちょっと本調子のスイングには見えないけど、その中で3本というのはうれしいですね」

 右脇腹を負傷し、無念の離脱となった7月17日・広島戦(甲子園)。翌日、室内練習場に糸井の姿はあった。

 「いけます!」

 患部の損傷は激しく、現実的に試合に出場できる状態ではない。早くて2週間、万全を期すのであれば1カ月以上を要する重症だ。それでも、首脳陣へ戦う姿勢を伝え続けた。「いかせて下さい」-。思いを受け止めたチーム関係者は「じゃあ、ちょっと打ってみようか?」と提案した。

 バットを握り、打撃マシンと向き合う。1球、2球、3球…。納得のいくスイングが全然できない。キャッチボールも全力で投げられなかった。「監督には一番、申し訳ないという気持ちがあります」。勝負の夏を前に離脱する自分が歯がゆく、また情けなかった。

 これ以上、心配はかけられない。失った時間を取り戻すべく、糸井は燃えている。シーズンは残り36試合。一球、一球に魂を込める。チーム、ファンと共に勝利を分かち合う。

 「頑張ります」

 快勝に浸ることなく、超人は次戦へ向けて一言だけ声を発した。まだ、タイガースは成長できる。球界屈指のバットマンが敵の前に堂々と立ちはだかる。

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