ドラ2小野、七夕の夜でもつかめぬ初星 88年野田以来の新人開幕5連敗

 「阪神1-5巨人」(7日、甲子園球場)

 遠い、遠いプロ初勝利。阪神ドラフト2位・小野泰己投手(23)=富士大=は7度目の登板でも、白星をつかむことができなかった。「もっと変化球でカウントが取れれば、楽な投球ができたと思います」。初対戦となった巨人打線に、直球を狙われ3失点。5敗目を喫した。

 課題の立ち上がりに苦しんだ。初回2死二、三塁から村田と勝負の場面。打ち取ったかのように見えた打球は、三塁のラインギリギリへ転がった。これが適時内野安打となって、先制点を失った。

 さらに2死満塁とピンチを広げ、中井には初球を中前へとはじき返された。適時打を許し、2点目を献上。中堅・中谷の好返球で二走・村田の生還は阻止したが、いきなり2点を失った。

 さらに悔やまれるのは五回だ。先頭、投手のマイコラスに左中間二塁打を許すなど、2死一、二塁で4番・阿部を迎えた。144キロ直球を捉えられ、打球は右前へ。さらに1点を失った。

 前回6月28日の中日戦では、6回2安打1失点と試合を作ったが、敗戦投手に。ここまで好投を続けていながら0勝5敗。球団では1988年の野田浩司以来となる、新人の開幕5連敗となった。

 それでも後半戦での巻き返しを誓う。香田投手コーチは「もう一つレベルをあげてほしい、一つじゃないか。二つ三つだね」とさらなる成長を促した。小野も「次回は粘りのある投球をしたい」と前を向く。

 七夕の夜空に、悲願の白星を飾ることはできなかった。それでも投げ抜いた98球。報われる日はきっと来る。その日まで、23歳は腕を振り続ける。

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