原口、サヨナラ呼んだ執念同点打 九回代打で勝負強さ発揮

 「交流戦、阪神4-3日本ハム」(4日、甲子園球場)

 つないでくれたバトンを落とすわけにはいかない。思いを込めた打球が、前進守備を敷く敵のシフトをかいくぐるようにしぶとく抜けていく。劇的なサヨナラ勝利をお膳立てした執念の同点打。阪神・原口が持ち前の勝負強さを発揮した。

 2点ビハインドで迎えた九回。3連続四球などで乱れる敵の守護神・増井の動向をうかがう。無死満塁から糸原の二ゴロで1点差に詰めより、なおも1死一、三塁の好機に代打で登場。「相手のいいボールを」。狙い球は絞った。1ボールからの2球目、外角低めの直球を捉えた打球は二遊間を抜ける同点適時打となった。

 日頃の鍛錬は、ここぞの場面で実を結ぶ。調子が落ちていると感じれば、誰よりも早くグラウンドに出て特打を行う。時には平野打撃コーチに付き合ってもらいながら、ロングティーなどで振り込み、バットの軌道修正に専念する。不断の努力が糧となっている。

 悔いを残すところだった。延長十一回1死一、二塁では遊撃へのゴロ。併殺打かと思われたが、遊撃・中島からの送球を二塁・石井一がまさかの落球。相手守備の乱れにも助けられ、直後の岡崎のサヨナラ打につながった。「結果的に内容が良くなかったですが、太一さん(岡崎)が打ってくれて助かりました」。汗を拭いながら先輩に感謝した。

 現在は打率・248で規定打席にも足りていない。まだまだ、こんなものでは終われない。見据える視線の先は次の戦いだ。「与えられたところで結果を出して、頑張っていきたいと思います」。スタメンでなくとも己の力を出していく。引き続き、猛虎の勝利に貢献していく。

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