藤浪 乱闘因縁乗り越え3勝目 荒れ球にヤジ飛んでもフェースガードの重圧あっても

 1回、雄平(左)の一ゴロでベースカバーに入る藤浪(撮影・園田高夫)
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 「ヤクルト1-7阪神」(4日、神宮球場)

 ボールが抜けると、神宮のスタンドがざわついた。容赦ないヤジすら飛んできた。畠山に死球を与えて乱闘騒ぎになって以来のヤクルト戦。阪神・藤浪は「そこを気にしていたら投げられない。強い覚悟を持って投げたつもりです」と言い切った。その言葉が示すとおり、八回途中4安打1失点。チームの“貯金5の壁”突破に貢献した。

 立ち上がりからフォーク、カーブなど余分な球種を省いた。125球のほとんどが直球とカットボール。「勝負できるのがその2球種。もともと自分はそういうタイプなので」と言うが、時折、飛び出す荒れ球が相手打者の恐怖心を煽った。

 カットボールの軌道に腰砕けになり、外角の直球に踏み込んでいけなかった。右打者に許した安打は七回、谷内に浴びた左前打だけ。7四球を出したことには「余分な四球が多い。特に先頭の四球は反省しないといけない」と言った藤浪。ただ因縁の相手を乗り越え、勝ち切ったのは一つの収穫だ。

 京セラでの乱闘から数日後、香田投手コーチは「相手バッターだってイヤなんだから。恐怖心があるんだから」と藤浪に伝えた。この日、バレンティンはヘルメットにフェースガードを装着していた。それを重圧にすることなく、真っ向から勝負した。

 臆することなくゾーンに投げ込むと、相手の主砲は腰を引いた。「バレンティンはその最たる例だよね」と香田コーチ。相手が強打者であるほど、強い覚悟を持って力強く腕を振った。そして呪縛を解き放った。

 金本監督は「心配はしたけど、乗り越えないと。全部、ヤクルト戦は避けるのかという話になるから。結果は褒めてね。よく投げたと思うよ」と背番号19のハートを称えた。打線の援護も呼び込んでの自身3連勝。「流れに乗っていけるように」と言った右腕の表情には、確かな手応えがにじんでいた。

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