高山合格弾!弱点克服内角撃ち、浜風に勝て!3割20発や

 「阪神春季キャンプ」(5日、宜野座)

 阪神の高山俊外野手(23)が5日、秋山を相手にしたフリー打撃で右翼へ一発を放った。内角ギリギリの厳しいコースを、きれいに体を回転させて打ち返した昨季の新人王。そのスイングには力強さが出てきており、3割20発を期待する金本監督は甲子園の強烈な浜風に「勝ってほしい」とさらなる高いレベルへの成長を求めた。

 今キャンプ初の日曜日。満員に埋まったスタンドから大きな拍手が湧き起こった。ファンの視線の先にいたのは力強くフォロースイングを取った高山。快音を残した白球は失速することなく右翼席へ着弾-。誰よりもその一発に手応えを感じ取ったのは金本監督だ。

 「相当、力強くなっている。多少ポイント近めで差し込まれているんだけど、それをちゃんと押し込んで振れるという。あれすごく大事。腰がしっかり回ってないと絶対に入ってないから。上がってポップフライで終わるか、せいぜいライトフライだから」

 フリー打撃で秋山と対した19球目、右腕が内角ギリギリに直球を投じた。スピードもキレも申し分ない1球。そこに高山は右肘をぶつけていくように上からバットを出し、体の回転を上手に利用してはじき返した。

 昨年までなら右肘を体の外へ抜くようにして、内角球に対応していた。ただそれでは打球に強さが生まれない。昨年2月の安芸キャンプで掛布2軍監督が最初に指摘していた弱点。克服できたことを証明する一発だ。

 高山自身も「もう少し前のポイントで捉えたかったけど、去年よりは振る力がついてきていると思う。ああいう打ち方ができるようになっていきたい」と確かな手応えを口にした。昨秋のキャンプから取り組んできた練習法が実を結びつつある今、金本監督は「(3割20本を)ぜひとも達成してほしいし、浜風に勝ってほしいね」と大きな期待を寄せる。

 現役時代に甲子園の浜風について「超ド級ウルトラスーパーメガトンな当たりじゃないとスタンドまでいかない」と語っていた指揮官。その強烈な“風の壁”を打ち破れる素質が高山にはある。それだけにパワーだけでなく「差し込まれとか、泳いだとか、そういう時に外野の頭を越える(技術)というのを習得してほしい」とさらなる成長を求める。

 「ミスショットが多かったのでまだまだです」と表情を引き締めた高山。大打者への道のりは果てしないが、着実に前へと進んでいる。その事実を宜野座の空に描いたアーチが示していた。

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