岩貞、恩師から15勝指令 必由館・西田監督「10の次は15」

 阪神・岩貞祐太投手(25)が28日、恩師から「15勝指令」の猛ゲキを受けた。この日は熊本県民総合運動公園で行われた必由館野球部OB主催の「熊本地震復興プロジェクト 野球教室」に参加。野球教室を見守っていた同野球部の西田尚巳監督(51)は今季10勝の教え子に「10の次は15」と命じた。阪神では05年の下柳以来、誰も成し遂げていない15勝。恩師の期待に応えるべく、左腕はさらなる高みを目指す。

 大きく飛躍した1年だった。昨年、一昨年と1勝どまりだった岩貞だが、今季は25試合に登板して10勝9敗、防御率2・90。前日成長した左腕と食事をしたという西田監督は「2桁は大きいですよね」と、その活躍に合格点を与え、「こう投げたらうまくいくというフォームを見つけたと言ってましたよ」と笑顔で明かした。

 さらに今年、恩師にとってうれしかったことがあった。それは8月と9月に岩貞とヤクルト・山中との“必由館対決”が実現したことだ。「プロの世界で教え子2人が投げあうことなんて、地方の公立ではなかなかない」と誇らしげに語った。

 もちろん今後への期待は大きい。岩貞が来季の目標に13勝の数字を挙げていたが、「13勝は中途半端ですよ。10の次は15だと思います」と修正を促した。阪神では05年に下柳が達成して以来、11年間誰も到達していない15勝。その高みへ、教え子の左腕に挑戦することを命じた。

 この猛ゲキに岩貞の表情も引き締まった。「(勝ち星は)積み重ねなんで。先発する当日に、その日の勝ちを全力で取りにいく」。険しい山へと続く道のりを、一歩ずつ登り詰める覚悟だ。

 今年を振り返り、「投げてみないとわからないような感じに思われていた」と話す岩貞。来年こそはとの思いを込め、報道陣から渡された色紙に書いた文字は「頼」だ。「(来年は)ローテーションを守れるように、頼られるように」。2017年は信頼される左腕として、チームに白星をもたらす。

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