高山「納得できん」久々打点も神話崩壊

 「阪神1-5ヤクルト」(8日、甲子園球場)

 阪神ドラフト1位の高山俊外野手が一矢報いた。0-3の七回2死一、三塁。ヤクルトのドラフト1位・原樹のスローカーブを振り抜き、右前へはじき返した。三走・原口が生還し、GW最終日の甲子園は大歓声に包まれる。それでも、背番号9の表情は険しかった。敗戦の責任を、両肩に背負っていた。

 「(今日は)全然納得していないですけど、(適時打は)良かったと思います。(緩い球を)狙っていたわけではないですけど、初球を積極的にいこうと思っていました」

 4月24日・広島戦(マツダ)以来12試合、45打席ぶりの打点。得点圏における打撃でチームに貢献できておらず、苦杯をなめ続けていた。その点、この日の打撃は次戦につながる光明となり得る。

 だが、高山の心の中はふがいない自分への怒りが大半を占める。特に、原樹から喫した3つの凡退には苦悶(くもん)の表情を浮かべた。大学時代から知る同級生であり、ヤクルト・真中監督が引き起こしたドラフト時の“因縁”もある。七回の一打でマウンドから引きずり降ろしたが、満足はできない。

 すでに、周囲の期待は「新人選手」としての枠を大きく越えている。だが、連戦の疲れはルーキーの体を重くさせている。それは、打撃にも悪影響を及ぼしていた。片岡打撃コーチは「体の疲れもあって、勢いでボールを飛ばそうとしている」と分析。再び上昇気流に乗るためのヒントは、バスターにあった。

 4月26日からの巨人3連戦で14打数1安打と急ブレーキ。試行錯誤を繰り返す中で、試合前のフリー打撃で「バスター打ち」を取り入れた。「無駄な動きを省いて、体をコンパクトに使うことが狙い」と片岡コーチ。上体で打つのではなく、あくまでも下半身主導。世代屈指のヒットメーカーは今、足元を見つめながら活路を見いだそうとしている。

 五月晴れの甲子園で放った久々のタイムリーが、復調の鍵を握っているかもしれない。ならば、それをつかむまで一心不乱にバットを振り込む。今できることは、必死に努力を続ける他ない。

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