口火の福留弾!4番が突破口開いた

 「巨人1-10阪神」(7日、東京ドーム)

 頼もしい4番のバットが今季初となる2桁得点の口火を切った。四回1死一塁で迎えた阪神・福留孝介外野手の第2打席。1ボールからの2球目、平良の133キロカットボールを振り抜いた。打球はきれいな放物線を描き、オレンジ色に染まった右翼席に吸い込まれていった。

 プロ初登板初先発の20歳右腕にチームは序盤3回で1安打。福留も一回の第1打席は見逃し三振に倒れていた。「テンポよく、リズムもよく最初から投げられていた。その中で甘い球を一発で仕留められた」と納得の2号2ランだった。

 この回の攻撃前、円陣で甘い球の積極攻撃を確認したばかりだった。即座に実行に移す先制弾。「あれでまた流れができてくれたので、よかったんじゃないですか」と4番の仕事を振り返った。

 三回の守備で自らリズムをつくっていた。平良の右前ゴロを捕球後、素早い一塁へのノーバウンド送球でライトゴロを成立させた。本人は「常にそういうチャンスがあれば狙っている」と涼しい顔。高代ヘッドから「ライトゴロ刺しにいくぞ」と言われていたとおりに実践。金本監督は「そのとおりになって、僕もワッとね。絵に描いたようなね」とビッグプレーを称賛した。

 試合前にうれしいニュースが飛び込んできた。PL学園の後輩、ドジャース・前田がメジャー初登板で初勝利。「いい投手というのは誰もが知っている。その中で結果を出すのだからすごい。ホームランも打ったりして、よかったんじゃない」と祝福。無失点投球にも触れ「ゼロで終われて、次の登板でも気持ちよく投げられると思う。また頑張ってほしい」とエール。そして、自身も海の向こうの後輩に負けない活躍でベテランの存在感を示した。

 指揮官は「本当にいい仕事をしてくれていますよね。今はもう頼もしい限り。言うことなしです」と福留への全幅の信頼を口にする。1位巨人とは再び0・5差に接近。奪首が見える8日からの甲子園開幕カードも背番号8が攻守でチームをけん引する。

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