高山 鳥谷以来の球団新人、猛打賞 

 「オープン戦、ロッテ3-3阪神」(16日、QVCマリンフィールド)

 故郷がパワーを授けた。阪神・ドラフト1位の高山俊外野手(22)=明大=が、先制適時打を含むオープン戦初の猛打賞。球団新人のオープン戦猛打賞は、04年の鳥谷以来12年ぶり。打率を・355に急上昇させた虎の一番星は、東京六大学リーグの通算安打記録を塗り替えた次なる戦地・神宮でも躍動する。

 もう誰も驚かない。右へ左へ、鮮やかに打ち分けたオープン戦初の3安打は、貫禄すら漂わせた。地元・千葉でのゲームはプロ入り後初めてだったが、高山に気負いはなかった。「ずっと千葉で育ってきたんで、そういった意味では良かった」。存分に躍動し、成長した姿を見せた。

 二回に高山ショーが開演した。1死三塁。古谷が投じた外角低めの変化球にバットが反応。巧みなバットコントロールで一塁線を破る適時二塁打にした。

 「ヒットだったんで良かったけど、難しいボールに手を出してしまった。ヒットとゴロは紙一重。もう少しボールを上げて打てば良かった」。痛烈な当たりではなかっただけに、自身の評価は厳しいが、貴重な先制点をもたらす一打だった。

 これだけでは終わらない。四回には古谷の初球を捉え、球足鋭いライナーで左前打。「1打席目は低いボールを引っかけた。ボールを上げるようにと思った」。反省を生かした安打を連ね、次打者・横田の中前打で果敢に三塁を陥れた。

 六回にも右前打。球団新人のオープン戦猛打賞は、04年3月17日の広島戦で3安打を放った鳥谷以来12年ぶり。一般的に不利とされる左対左を苦にせず、故郷にともしたHランプが輝かしい。

 守備でも魅せた。同点の六回2死満塁。デスパイネが放った左翼線への強烈なライナーを懸命のダッシュで好捕。抜ければ勝ち越しのピンチを防いだ。

 「真芯じゃないけど、ヒットにできるボールはヒットにしますよという感じはしますね」と金本監督。それでも「最後の最後まで(競争)というつもりだけどね」と開幕スタメンに当確は出さず、一層の奮起を促した。

 スタンドでは母・由美子さんと妹・遥加さんが観戦していた。祈る思いで見つめ、幼い頃からいつも見守ってくれた愛する人たちの前で結果を残せた。「良かったです」。慣れ親しんだ故郷で得たパワーを実とした背番号9。17日の舞台は悔しさも、うれしさも、楽しさも味わい、東京六大学リーグ通算最多安打の栄光を刻んだ神宮。高山の進撃はとどまるどころか、さらに加速していく。

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