藤川、変幻自在の“カメレオン投球”
「阪神春季キャンプ」(9日、宜野座)
藤川球児投手(35)がブルペンで今キャンプ最多の110球を投げ、投球のたびにアクセントをつける“カメレオン投球”を見せた。
ちょうど100球目だった。捕手を務めていた岡崎が、捕球後に藤川へ問いかけた。
岡崎「足のタイミング、変えましたよね」
藤川「ボークじゃないでしょ」
2段モーションの一歩手前で、通常よりもタメをつくった投球をしたように見えた。2人とも詳細は明かさなかったが、判定した芦原審判は「ボークではない」とルールギリギリの投球だった。
この場面以外にも左足を大きく上げることがあれば、クイックをすることもあった。左足を降ろすタイミングにも変化もつけた。投手ならば当たり前とはいえ、セットアッパーと抑えの経験があるだけに、引き出しの数は多い。
中日・佐藤スコアラーは「タイミングや間合いを変えていた。一定のリズムで投げてこない。じらされたりするだろうね。抑えの経験があるからピンチでもバタバタしないだろうし」と警戒を強めた。
藤川は投球の変化について問われると「また次のクール、頑張ります」。多くを語ろうとしなかったが、ベテランの技を見せつけた110球だった。