金本監督号令“外野戦争”定位置白紙だ

 「阪神秋季キャンプ」(10日、安芸)

 阪神・金本知憲監督(47)が、全外野手をレギュラーの対象として競わせる方針を明かした。期待を込めての激励でもあり、同時に「全員を使ってみたい気持ちになる」とハイレベルな“外野戦争”を奨励した。マートンの退団で空く左翼の争いにとどまらず、3ポジションのレギュラーを実績の有無で判断しない「金本イズム」がし烈なバトルを生む。

 金本新監督はうれしい悩みを抱えている。「全員を使ってあげたい気持ちになるよ、今は」。都内で所用を済ませた指揮官は外野手のレギュラー争いについて自ら言及し、そう表現した。

 4日にキャンプ地の安芸を一時離れ、7日に鳴尾浜に残る選手の練習も視察した。南国、そして2軍施設で感じた選手の息づかいに、無限のポテンシャルを感じた。

 「外野陣は左打者が少し多めだけど、緒方もいいものを持っているし、横田はまだ時間がかかるかもしれないけど、隼太もあれだけ守備でいい動きをしているし、いいボールも投げているからね」

 現役引退後、評論家として3シーズン、ネット裏から選手の力量を客観視してきた。実績や経験を踏まえればレギュラー候補の優劣はつけられる。だが監督という立場で現場復帰してみると、解説席からは判断できなかったものが見えてくることもまた事実。「5~6年かけて3割40発の選手にしたい」と長期スパンで評価する横田を横一線に据えるわけにはいかないが、一度、固定観念を破棄し、レギュラーを白紙に戻すことでホンモノの競争原理を促したい気持ちが金本監督にはある。

 球団は6年在籍したマートンと新たな契約を結ばない方針を固めた。昨季首位打者が抜ける痛手は伴うが、生え抜き育成に比重を置く金本イズムの浸透につながる。左翼が空席となり、大和、江越が争う中堅も未確定。右翼は福留が有力であることに違いはないが、38歳という年齢を考えれば後継者づくりも急務だ。

 ドラフト1位で指名した高山(明大)だって、キャンプや実戦のアピール次第では候補者に急浮上する可能性はある。育成契約を結ぶ一二三、ドラフト6位の板山(亜大)も例外ではないだろう。未知数の選手も土俵に上げ、全員で競わせる。背番号6は結論ありきのサバイバルをさせるつもりはない。

 「全員試したいというか、全員を1軍で使いたい感じがするね」。12日に再び安芸へ戻る指揮官は、粋なコメントで競争を奨励した。来季開幕を狙う外野手バトルは、金本阪神最大の見どころになるかもしれない。

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