球児に複数年オファー準備、獲得へ誠意

 阪神が米大リーグ、レンジャーズを戦力外になった藤川球児投手(34)が日本球界復帰を希望した場合、複数年契約を視野に入れて獲得を検討していることが19日、明らかになった。現在は推移を見守っている状態だが、交渉可能な段階になるまでに条件面や金銭面などの準備を整える。長年にわたりブルペンを支えた功労者で“球団の至宝”でもある球児に対して、最大限の誠意を示す考えだ。

 投手陣の大黒柱としてチームを支えた長年の功労者であり、虎の至宝だ。メジャーに移籍してからも阪神の関係者は、球児の動向を気に掛けていた。

 現時点では「球団内で意見統一はできていない」(球団幹部)と推移を慎重に見極める方針だが、当然、球団としては最大限の誠意は示したい。既に獲得を検討しており、複数年契約のオファーを出す準備をしているとみられる。

 17日(日本時間18日)にレンジャーズが藤川をメジャーでプレーできる40人枠から外し、戦力外にしたと発表。19日中(同20日)にウエーバーで獲得を希望する球団がなければ、マイナー行きなどの対応を決める。本人が退団を望めば、日本球団とも交渉が可能な自由契約となり、阪神が獲得に向けて動く可能性が高い。

 球団首脳は18日に「前から調査はしているし、調査を継続していく」と明言している。藤川は、13年6月に右肘手術を受け、14年8月に復帰。レンジャーズに移籍した今季は右足付け根付近の故障で出遅れ、2試合で1回2/3を投げ防御率16・20。ただ、メジャー通算3年間では26回2/3を投げ、投球回数を上回る32三振を奪っている。阪神は、ウィリアムス、シーツの両駐米スカウトを中心に今後も情報収集も進める。

 藤川のメジャー移籍後、阪神には抑えに呉昇桓が君臨する。復帰した場合の役割は先発か中継ぎか流動的ではあるが、プレー以外での期待も大きい。03、05年のリーグ制覇を知り、数々の修羅場をくぐり抜けてきたかつての守護神だけに伸び悩む若い投手へ与える影響力は計り知れない。

 阪神は藤川の体の状態の把握に努めながら、金銭面、条件面を整える作業に入る。この日、中村GMは、報道陣の取材に対し「推移を見守る」との考えを示した。まずは球児がどんな決断を下すのか-。今後、その動向からいよいよ、目が離せなくなってきた。

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