西岡は頼もし!今季初猛打賞&2適時打

 「ヤクルト9-2阪神」(2日、神宮)

 どんな劣勢であろうとも、その目は勝利だけを見据える。阪神・西岡が見せた執念の一打-。花冷えの神宮の杜で声援を送り続ける虎党に、大敗の中でも熱くなれる瞬間を届けたのは、そんな魂の一打だ。

 「あそこは何としても先に点が欲しかった。きれいな打ち方じゃなかったけど、執念で打ちました」。そう西岡が振り返る場面は、両チーム無得点で迎えた五回だ。2死から鳥谷が左前打で出塁し、二盗に成功。上本も四球で出塁した。

 苦戦を強いられていた相手先発・ロマンが見せたほころびの兆し。西岡はそこを逃さない。カウント1-2と追い込まれながら、外角に落ちるボール球のチェンジアップに食らいつくと、打球は意思を持っているかのように三遊間を抜けていった。まさに執念の先制打だった。

 和田監督が昨年から温めていた「3番・西岡」構想。以前から指揮官は「何といってもチャンスでの勝負強さ。状況によってチャンスメークも、つなぎの打撃もできる」と期待を込めて話していた。

 初回1死一塁では好機を広げる右前打。三回はやはり一塁に走者を置いて四球を選ぶ。そして、逆転を許し4点を追う展開となった七回1死一、三塁だ。

 「あそこをつなげばゴメス、マートン、福留さんが控えている。僕が3ランを打っても逆転はできない」

 思いを込めた一打が痛烈なライナーで中前へ抜けていく。逆転はならなかった。だが指揮官が託した期待-それが凝縮されたような今季初の猛打賞だ。

 ただし、敗戦も活躍も振り返る暇はない。3日からは宿敵・巨人との3連戦が待つ。「勝ってそうなれば一番よかったですけどね。ただ巨人戦で東京ドームへ乗り込むので、気持ちで負けないようにしたい」。今季初の伝統の一戦。チームを上昇気流へ乗せるため、西岡が静かに牙を研ぐ。

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