マートン 任せろ3番!心配ナシ3安打

 「オープン戦、阪神7-1広島」(11日、甲子園)

 この男は3番でも頼りになる。阪神のマット・マートン外野手(33)が広島戦で今年初の「3番」に入り、3安打をマークした。和田豊監督(52)が「1番・鳥谷」から始まるオーダー編成を模索する中、昨季に5番で首位打者を獲得した助っ人が、新たな可能性を示した。

 季節外れの極寒も、慣れない打順も関係なかった。猛虎の安打製造機は全てに対応してくれる。今年初の3番に入ったマートンが、今年初の猛打賞だ。

 3番は過去5年間の打順別出場数では5番、1番、4番に次いで4番目の89試合だった。「どの打順でも、打席でベストを尽くしてやるべきことをやるだけ。上位になると打席が多く回ってくるけど、考え方は変わらない」。与えられた役割で全力を出し切るスタイルは、調整段階のオープン戦でも変わらなかった。

 初回2死は野村から投手強襲安打。4日・ソフトバンク戦での初実戦から5試合連続安打とした。先頭の四回は九里から左前打。五回無死一塁も小野の外角スライダーを捉えて三遊間を破った。

 春季キャンプで右太もも裏を痛めて、出遅れた影響を全く感じさせない安定感。「状態は上がっているけど、結果はコントロールできない。やるべきことをやっていきたいね」。昨季、来日初の首位打者に輝いた男は表情に余裕を漂わせた。

 打順を思案している和田監督は、さらに悩むことになりそうだ。「試したい打順がある。ゴメスの前に塁に出られる選手を並べるのが一番いい」と今週末、15日・DeNA戦(横浜)まではマートンを3番で起用する考えを明かした。オープン戦最後の一週間は開幕オーダーを組む方針。今後も3番候補に挙げている鳥谷、西岡とともに適性を見極める。

 試合では平常心を強調する助っ人も、この日は感傷的だった。東日本大震災の発生から4年が経過。来日2年目だった当時も未曽有の天災に心を痛め、交流戦で東北を訪れた際は、被災地を慰問したこともある。

 「自分にすごい被害は起きなかったけれど、大変な思いをした人がいるし、今でもそういう人がいる。日本の3月11日と、アメリカの(同時多発テロが発生した)9月11日は自分にとって一生、忘れられない大切な日です」。あらためて野球をできる喜びを実感。来日6年目の開幕に向けて一層、身が引き締まる一日となった。

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