“横山シート”つくる!被災者を招待

 阪神のドラフト1位・横山雄哉投手(20)=新日鉄住金鹿島=が28日、将来的に東日本大震災の被災者を甲子園に招待する“横山シート”創設プランを明かした。山形で生まれ育った選手として、プレーだけでなく、社会貢献活動でも東北の被災地復興を支援する。

 忘れたくても忘れられない。体感したからこそ分かるあの恐怖。少しでも悪夢を忘れる時間をつくり、前向きになってもらいたい。横山が一流への階段を駆け上がり、被災者を甲子園に招待する夢を明かした。

 「高校時代もチームとして、東北を復興しようという意識でやってきた。東北出身である以上、今もそういう思いを持っている。野球での活躍を伝えることもだし、将来は被災した人たちを招待できればと思っている」

 自身も東日本大震災の被災者だ。11年3月11日。山形県は最大震度5強を観測した。山形中央高2年だった横山は、練習前に出掛けた山形駅の地下1階にいた。屋外に出るように促されて地上に出ると、駅前では多くの人が慌てふためく光景が目に飛び込んできた。

 「信号が止まっていたし、かなり揺れたので、みんなパニックだった」。練習は中止になったが、電車が止まり、携帯電話もつながらない。帰宅する手段を失い、野球部の部室に避難した。夜になってようやく父・康則さんと連絡がついて帰宅したが、経験したことのない恐怖を感じた。

 周囲の被害も忘れられない。東村山郡中山町の自宅は停電、断水。宮城県多賀城市の親戚の家は津波で1階が水浸しとなった。片付けの手伝いに向かった際、太平洋沿岸部の被害の大きさも知った。

 12年4月に茨城県鹿嶋市の新日鉄住金鹿島に入社した後も、地震の被害を伝え聞いた。「(製鉄所の)工場は火事になって、野球部のグラウンドも地面にひびが入って練習どころじゃなかったと聞いた」。景観は復興しても、心の傷は簡単に癒えるものではないことを知った。

 これからは影響力がある立場になる。自身のプレーや言動が、東北復興への後押しとなる。横山は被災者の一人として、強い決意と責任感を持ち、プロで戦う。

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