ドラ1横山 聖地の屈辱を聖地で晴らす

 今秋ドラフトで指名された阪神の新人5選手が7日、西宮市内で甲子園球場や球団施設の見学、体力測定を行った。山形中央高時代に2度、初戦敗退を喫した甲子園に一回り大きくなって帰ってきたドラフト1位・横山雄哉投手(20)=新日鉄住金鹿島=は、「数多く甲子園のマウンドに立って勝利に貢献したい」と“リベンジ”を宣言した。

 もう過去の自分ではない。悔し涙を流してから4年。今なら相性の悪さも自力で変えられる。横山は確かな自信を手に入れて、甲子園に帰ってきた。

 「今の自分の中では、甲子園にいいイメージはない。でも、タイガースさんに縁をもらって、また甲子園に立てるのでリベンジをできるように、という思いがある。数多く甲子園のマウンドに立って勝利に貢献したい」

 山形中央時代。自信を打ち砕かれた聖地には屈辱の記憶だけが残っている。10年に2年生エースとして春夏連続で甲子園に出場。ともに初戦敗退だった。

 21世紀枠で出場した選抜大会は1回戦・日大三戦に先発。7回0/318安打13失点の大乱調だった。同年夏は2回戦・九州学院戦で先発して6回7失点。8四死球の自滅だった。あの悔しさは反骨心を生み、プロを目指す原動力となった。

 自身の原点の一つと言える甲子園。その一塁側アルプス席に立っても、興奮する様子はなかった。「自分がマウンドに立っている姿とかは想像した。高校時代は圧倒される感じがあったけど、きょうは自然な感じで見られた」。新日鉄住金鹿島で3年間、鍛えてきた自負があるのだろう。涙と汗が染み込んだグラウンドを、落ち着いて眺めていた。

 最速151キロで即戦力として期待されるドラフト1位左腕。仮契約で掲げた1年目の目標は「2桁勝利&新人王」だ。有言実行を果たすために、1月の新人合同自主トレ開始までの約1カ月は準備に専念する。

 施設見学後の体力測定では、伊藤トレーニングコーチから「(投げる)力はあるけど、スタミナがない」と指摘を受け、肩のトレーニングを重点的に行うように指導を受けた。「具体的なトレーニングを学ばせていただいた。しっかりやっていきたい」と気持ちを引き締め直した。

 来季から本拠地となる甲子園。もう屈辱を味わうつもりはない。横山は誰よりも聖地のマウンドが似合う男になる。

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