メッセ燃えた!快投でスタンにリベンジ

 「日本シリーズ第1戦、阪神6-2ソフトバンク」(25日、甲子園)

 スリーアウトを確信した阪神・メッセンジャーが夜空を指さした。2イニング連続で1点を奪われた七回。顔を紅潮させ、アドレナリンは全快だ。2死一塁から代打・本多を遊飛に打ち取ると、激しくグラブをたたいてほえた。

 「自分のピッチングをすることだけ心がけた。自分の仕事は最低限できたと満足しているよ」

 4連勝で巨人を下しCS突破を決めた夜。喜びに浸ってホテルに戻ると、首脳陣から大役を告げられた。阪神の外国人では初の日本シリーズ開幕投手。和田監督は「メッセしかいない」とまで言った。もちろん初戦先発に名乗りを上げた助っ人も、意気に感じていた。

 「大事なゲームだと分かっていた。とても光栄なことだ。何とかチームに勝つチャンスを与えようと思った」

 マウンドでは必死に胸の高鳴りを抑えた。独特の雰囲気が球場を支配したが、平常心を貫いた。直球は最速155キロをマーク。シーズンで両リーグトップのチーム打率・280を誇るソフトバンク打線を7回6安打2失点に封じた。

 日本シリーズ初の開幕戦外国人先発対決で、スタンリッジにリベンジした。交流戦では完封勝利を許した元同僚。交流戦前は、報道陣からスタンリッジに関する質問が集中し、珍しくナーバスになっていた。球団広報に要望し、スタンリッジに関する質問はNGにしたほどだ。この日の登板前には中西投手コーチから「お前が意識するような相手じゃない」と背中を押された。お立ち台では満足そうにこう言った。

 「自分はピッチャーと対戦するわけじゃない。バッターと対戦するんだ。チームの雰囲気は最高だ。一生懸命やって明日も勝つよ」

 次回先発は中4日で30日の第5戦が濃厚。シーズン同様、メッセンジャーがフル回転でチームを頂点に導く。

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