能見、奮闘も“魔の八回”悲しき2被弾

 「広島2‐1阪神」(23日、マツダ)

 淡々とマウンドの土をならすしぐさに無念さがにじんだ。0‐0で迎えた八回。先頭・会沢への初球だった。チェンジアップをすくわれ、白球は左翼席に吸い込まれた。さらに2死後、菊池にもソロを打たれ、8回6安打2失点。阪神・能見の好投は報われず自己ワーストの11敗目を喫した。

 「粘った?粘ってないけどね、結局(点を)取られているので。先に点を取られたのがすべて」

 序盤は右打者6人を並べた相手打線を手玉に取った。最速147キロの直球で内角を突きフォークをストライクゾーンから落とした。「鶴岡さんもいろいろ考えてくれていた」

 初回は先頭の堂林、菊池をそのフォークで連続空振り三振。3番・丸はフルカウントから直球で遊ゴロに打ち取り、上々の立ち上がりを披露した。試合前まで通算12試合の登板で8勝3敗、防御率1・65と相性のいいマツダスタジアム。涼しい表情でスイスイと投げ、四回まで1本の安打も許さなかった。

 だが、五回の攻撃でリズムが狂う。先頭で四球を選んだ能見は、10分以上、塁上に立っていた。エンドランのサインでスタートも切った。「仕事なので。どうこうはないよ」。本人はそう言ったが、それ以降の投球に影響を及ぼしていった。

 五回はロサリオにチェンジアップを捉えられ初安打。明らかに球は浮き始めたが、再三のピンチを断ち必死に粘った。七回無死三塁を無失点に抑えるとクールな男が珍しく左手でグラブを叩いた。

 敗れはしたが、能見の好投はシーズン勝負どころへ明るい材料だ。通算1000奪三振にはあと6に迫った。阪神で1000奪三振以上を達成したのは村山実、江夏豊、小山正明、山本和行、井川慶、仲田幸司、藪恵壹、福原忍の8人。次は、自身の偉業はチームの勝利とともに飾りたい。

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