飛び級!伊藤和、育成から1軍テス投

 絶好のチャンスが巡ってきた。昨季終了後に育成選手契約となった阪神・伊藤和雄投手(24)が7日から1軍に合流することが6日、分かった。今年の実戦では6試合に登板して14回無失点、23奪三振と好投。5日の教育リーグ・ソフトバンク戦(雁の巣)を視察した和田監督、中西コーチらも合格点を与えた。支配下再登録へ、1軍での挑戦権を手に入れた。

 ようやくスタートラインに立てる。はい上がることを目標に、結果を残し続けてきた伊藤和の好投が、1軍首脳陣の目に留まった。帰阪前の福岡で、和田監督が育成右腕について語った。

 「真っすぐで空振りを取れていた。腕の振りも良かった。1軍のマウンドでどれだけやれるか確認したい」

 5日、教育リーグ・ソフトバンク戦に和田監督、黒田ヘッドコーチ、中西投手コーチら1軍首脳陣が集結。わざわざ雁の巣球場に足を運んだ理由のひとつが、育成右腕の現状確認だった。

 これ以上ない昇格アピールのマウンドで、伊藤和が最高の結果を見せた。力強い直球を決め球に、5者連続空振り三振斬り。文句のない投球で、1軍昇格を決定づけた。

 昨年の宜野座キャンプが苦闘の始まりだった。前年、1軍登板を果たした右腕は飛躍を誓い沖縄入り。猛アピールするため、連日のように投げ込みを敢行したが、右肘の負傷につながった。右肘痛を気にするあまり、バランスを崩した投球はシーズン最後まで響いた。2軍戦登板はわずか12試合にとどまった。

 さらに追い打ちをかけるように、10月末に育成契約を言い渡された。「なぜ…」。ショックを拭いきれず、何度も自問自答を繰り返した。

 どん底まで沈んだ伊藤和をつなぎ止めたのは、復活への手応えだった。10月に宮崎で行われたフェニックス・リーグの後半にチームに合流すると、直球に力強さが戻っていた。「この直球があれば、勝負できる」。育成契約からはい上がる自信をつかんだ。

 今年は実戦6試合に登板して、14回で23個の三振を奪った。奪三振率は驚異の14・79をマーク。昨季、130キロ台中盤だった直球は147キロまでよみがえった。支配下再登録について黒田ヘッドは「今の投球なら可能性はあるんちゃうか」と話した。

 ただ、勝負はここからだ。今は挑戦権を得ただけ。1軍で結果を残せば背番号2桁を引き寄せることができる。「1軍でも自信をもって投げたい」。力を込めた背番号117が、復活のマウンドに立つ。

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