和田監督がドラ1四人衆にノルマ30勝

 「阪神春季キャンプ」(2日、宜野座)

 ドラ1四人衆で30勝や‐。阪神・和田豊監督が、先発ローテ枠を争う岩田、榎田、鶴、白仁田の4投手に対し、合計30勝のノルマを課した。能見、メッセンジャー、藤浪に次ぐ先発勢力の底上げを狙い、虎将がハッパをかけた。

 ブルペンで捕手越しに和田監督が熱い視線を注ぎ続けた。視界の先で投球練習を繰り広げたのは、岩田、榎田、鶴、白仁田のドラ1カルテット。先発ローテ枠を争う四人衆の調整過程を食い入るように見つめた。

 9年ぶりのリーグ優勝を目指す今季、悩みの種は確固たる先発投手陣を確立できていないことだ。能見、メッセンジャー、藤浪に続く4番目以降の指が折れない。しかし、誰かにやってもらわねば困る。指揮官はドラ1四人衆の奮起を求めた。

 榎田4勝、鶴3勝、岩田2勝、白仁田1勝。4人合わせた昨年の勝ち星は10勝。当然、納得も満足もできるものではない。ドラフト1位の評価が示す通り、素材はピカ一。資質の開花を促すように、高いハードルを設定した。

 「最低倍やで。いや、倍では効かんな。左2人(岩田、榎田)で20(勝)ぐらいしてもらわんと。4人合わせて30(勝)ぐらいしてもらわんと。3倍してもらおうか」。将の本気度が熱い口調ににじみ出た。

 キャンプ初日の前夜、中西投手コーチはふがいなく映った岩田と榎田にカツを入れた。「キツいようだけど、2人には昨日がっかりした。だから話をした。エノキ(榎田)も岩田も、もたもたしてるようじゃダメだ」。期待の大きさを行動に移した。一夜明け、岩田は最後までブルペンに居残った。首脳陣の視線を独り占めにした今キャンプチーム最多となる151球の熱投で、中西コーチのゲキにアクションで応えた。

 投手陣を3組に振り分けた中、この4人を同組にしたのも競争を促し、高いレベルで争ってほしいという首脳陣の意向を表す。和田監督が描くシナリオが具現化すれば、必ずや宿敵・巨人を打破できる。

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