久保との残留交渉で中村GMが謝罪

 阪神は19日、FA(フリーエージェント)宣言した久保康友投手(33)と、兵庫県西宮市の球団事務所で残留交渉を行った。球団側は、現状維持の1億2000万円の2年契約を提示したが、久保は結論を保留した。中村GMは今季、久保を抑えに配置転換したことに対して「非常に迷惑をかけた」と異例の謝罪。先発復帰を確約した。

 FA宣言後、公の場で初めて交渉のテーブルについた久保に対し、球団側は下交渉での年俸1億2000万円からのダウン提示を現状維持の2年契約に見直し。再提示した上で、「必要戦力」だと熱烈に残留を要請した。

 中村GMの口から誠意として示されたのは、異例の謝罪の言葉だった。「今年を振り返って、彼には非常に迷惑をかけた。適材適所といった意味では、果たしてクローザーが良かったのかというところで…。チーム事情でこうなったことには、編成の責任者として詫(わ)びておいた。謝罪しておきました」

 藤川という絶対的な守護神が米大リーグ・カブスに移籍した昨オフ、久保を先発から配置転換することで、穴埋めをはかった。中村GMは、和田監督ら現場の下した配置転換に“申し訳なかった”と頭を下げた形だ。

 来季のポジションについても「先発の一角を占めてもらう。(久保が)監督とも話をしたように聞いている」と確約。現場、フロントともに、先発ローテを任せる意向で一致していることを伝えた。

 久保は今季、抑え転向を承諾してチームの「駒」に徹したが、不慣れなポジションに適応できず、5月末には2軍降格も経験。再昇格した8月以降は中継ぎとして結果を積みあげたが、抑えを任されることはなかった。

 「自信があっても働き場所がないと意味がない」。16日、報道陣の前でそう吐露したように、久保は決断のポイントについて「(起用法の)希望はない」としながら、「仕事があることが大事」とあらためて強調した。阪神との交渉を終え、「うれしいという気持ちが今、いっぱい」と心境を明かした。

 今後はDeNAとの交渉にも臨むが、中村GMは「球団としてはかなり踏み込んだ誠意」と、一騎打ちに自信を見せた。

 DeNAは「先発手形」を条件に掲げ、中畑監督は熱烈なラブコールを送っている。「中畑監督の言葉?気持ちとしてはありがたい」と久保。形勢有利とは言えない状況下、中村GMの「謝罪」がFA右腕の心を射止める矢になるか…。

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