桧山「打ちたかった」代打で空振りK

 「ヤクルト2‐3阪神」(4日、神宮)

 感触を確かめるように歩いた。ベンチを出た阪神・桧山は、三塁側を歩きながら声援に応えると、そのまま左翼席に向かい、深々と頭を下げた。試合後も奏でられたヒッティングマーチ。鳴りやまない拍手と歓声を浴び、神宮での戦いが終わった。

 「最高の声援はうれしかったけどそれに応えたかった。打ちたかった」

 出番は延長十回、1死満塁の好機。代打での登場に拍手と声援が巻き起こる。一打勝ち越しの期待を背負った中、バーネットの6球目「カットボールの抜け」に手を出し空を切った。それでも22年間へのねぎらいの声援は止まらなかった。

 試合前には、宮本と言葉を交わした。しのぎを削り合ってきた戦友の最後を共有し、一夜明ければ5日、巨人戦で自身の引退セレモニーが待っている。「5番・右翼」でスタメン出場する。

 「順位も確定して、自分で楽しめるというか1打席1打席、ワンプレーワンプレーをしみじみ感じてプレーできるのかな」と桧山。まだ、セレモニーでのメッセージも固まっていない。ただ、ありったけの思いを込めてプレーすることは心に誓って聖地に立つ。

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