メッセ様で連敗大脱出!3年連続10勝だ

 「阪神8‐1中日」(30日、甲子園)

 トンネルを抜けた。4連敗中だった虎が、ランディ・メッセンジャー投手(31)の熱投で勝利をもぎ取った。この日、西岡剛内野手(29)が左膝痛で出場選手登録を抹消。試合前から重苦しい空気が立ち込める中、助っ人右腕が、外国人投手では球団史上3人目となる3年連続2桁勝利をマーク。打線も久々につながり、チーム一丸で連敗を止めた。

 完封、完投を逃しても、146球の熱投は色あせない。注文通りの連敗ストップに、久々の六甲おろしの大合唱が響く。チームが苦しい状況だからこそ、余計に際立った揺るぎない存在感。最終回でも150キロ超えの直球を披露したメッセンジャーの剛腕が、待望の白星をつかみ取った。

 「横浜との3連戦でチームが苦しんでいるのを見ていて辛かった。何とかしたいと思っていた。絶対にチームが勝てるピッチングをしようと、それだけを考えてました」

 序盤のピンチで粘ったことが、勝利につながった。初回は先頭への四球からいきなり1死二塁のピンチを背負い、二回には1死満塁の場面も招いたが、いずれも無失点で切り抜けた。三回以降も懸命に最少のリードを守りきると、六回にようやく打線が追加点。右腕の気迫が導いたと言ってもいい。

 チームを救った10勝目。3年連続の2桁勝利は、阪神の外国人投手では87~89年のキーオ以来となる記録だ。「大事なやつはとってあるよ。(この日のも)もちろんだ」と、来日初勝利から、大事なウイニングボールはしっかりと保管している。節目の一球も手にしたが、まだ満足することはない。

 「勝つことに貢献するために日本に来たといっても過言ではない」とメッセンジャー。この日は、セットポジションの際のフォームにいくつか工夫をこらした。「まだ探っているところで、いろいろとやっているよ」。飽くなき探求心が、次の勝利へとつながる。

 和田監督が「(ファンに)やっと六甲おろしを歌って帰ってもらえた。メッセンジャーの好投に尽きる」と称えた投球だ。この試合まで4連敗。さらに西岡や榎田が負傷で戦線離脱。ムードが沈む負の連鎖の中、3連戦初戦で再発進の勝利を飾れた意味は大きい。

 これでチームは後半戦2勝目。いずれもメッセンジャーが挙げたもの。来日4年目でキーオに並んだ偉業。日本の炭に興味を持ち、今では外食の際に時折持ち帰るほど日本を愛し、タテジマに身を染める。充実の日々はこれからも続く。

 「ジャイアンツを抜いて、1位に立てるように頑張っていきたいです」。お立ち台から高らかに宣誓を響かせた。勝負の夏、右腕の存在がチームを上昇させる。

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