マートン先制3ラン!貯金4の壁破った
「阪神7-6ヤクルト」(4日、甲子園)
白黒脱出、連勝や!阪神は初回にマット・マートン外野手(31)の3号3ランでルーキー小川に先制パンチを食らわすと、2試合連続の2桁安打で7得点。最後はヒヤヒヤながらなんとか逃げ切った。ヒーローは今季8度目猛打賞の頼れる4番、チームを6度目挑戦でようやく貯金4に導いた。黄金週間改めトラ貯金週間や。
堂々の主役だった。ゴールデンウイーク真っただ中。4万5631人が駆けつけた甲子園。マートンが最高の舞台でド派手に暴れた。
「ゴメンネ、キョウハチョットニホンゴ、シンドイネ。ゴメンナサイ」。お立ち台の第一声で得意の日本語を披露。試合後もファンの心をつかむと、背番号9に万雷の拍手と歓声が降り注いだ。
初回から大歓声を浴びた。1死二、三塁。内角高めへの143キロのシュートに鋭い腰の回転で反応。腕をたたみ、無駄のないスイングで捉えた打球は浜風にも乗って左翼席に到達した。先制の3号3ラン。
「とにかく芯で捉えられるように、コンパクトなスイングを心掛けていた」
チームはヤクルトの先発・小川と公式戦で初対戦。オープン戦の2試合では7イニングで1点も奪えていなかった。その新人右腕へ強烈な先制パンチ。初回6点の猛攻を誘発し、3試合ぶりの一発は決勝弾となった。
二回1死一塁は右中間へ二塁打。四回1死も左中間を破る二塁打を放った。昨季は9度しかなかった猛打賞が、今季31試合目にして早くも8度目となった。
打撃の好調ぶりは守備にも波及した。三回1死で田中浩の大飛球に対し、フェンス手前でジャンプ。「捕れると思ってグラブを出した打球は全部捕りたいと思っている。いい形で捕れた」。フェンスに激突してもボールは離さない。岩田の今季初勝利をアシストする好守だった。
今季は2ストライク後も打率・340と強く、現在223安打ペース。21打点は福留を抜いてチームトップとなった。
「大切なことは自分自身のスイングを信頼してスイングすること。自分の目と手を信頼して、しっかりボールを見るということをやっている結果だと思う」と抜群の手応えを感じている。和田監督からは「今はここに投げれば打ち取れるというのがない状態」と絶好調宣言まで飛び出した。
チームは6度目の挑戦にして今季最多の貯金4にも到達。一つの壁を越えた。「きょうの試合はもう終わったこと。あすの試合が大切になる」。5日はこどもの日。チケットはすでに完売している。2日連続の“マートンフィーバー”で聖地に大歓声を巻き起こす。