4番・良太、福留から開幕極意授かった

 阪神・新井良太内野手(29)が28日、デイリースポーツに開幕前夜の胸中を独白した。人生初の開幕スタメンを4番打者として迎える。胸の高鳴りを覚える良太が、中日時代は雲の上の存在だった福留孝介外野手から、開幕戦の極意を授かった。新4番がいざ、開幕に臨む。

 神宮外苑を彩る満開の枝垂(しだれ)桜に胸が高鳴る。13年度開幕戦で4番を任される良太が、決戦前夜の胸中を告白した。プロ8年目。29歳にして初めてつかんだ開幕スタメンの座だ。鼓膜を震わす大歓声はもうすぐそこ。いやがうえにも緊張感が襲う。高ぶる心を鎮めてくれたのは、雲の上の存在だった男から授かった極意だった。

 「福留さんから聞いた。バッティングでああだこうだ考えるのは、今夜の練習まで。開幕を迎えたら、試合前の練習から気持ちよく打って、すっきりとした形で打席に臨めばいい、と」

 直前調整の合間に助言を求めた。百戦錬磨の福留は、落ち着き払った表情で応じてくれた。中日時代は“チームの顔”と“1軍半”の間柄。格差が溝を生んで当たり前の世界。対等にチームを語る心地よい違和感を言葉にするのは難しい。

 「あのころの僕からすれば、まさか将来、自分と福留さんが一緒にクリーンアップを組むことになるなんて、まるっきり想像できないことだった。だから、今はすごく不思議な気持ち」

 4番と5番。その連係がチームの浮沈を左右する。出塁率の高い1番・西岡、2番・大和の後に国際舞台で輝いた鳥谷が控える。プレシーズンに磨きをかけた新打線が本番で熟成されるか。開幕から重責を負う良太が頼れる先輩に問い掛けた。

 「前後にいいバッターがいるので、僕は一人でプレッシャーを背負わずにやりますね。そう言うと、福留さんは『それでいいよ。1、2番でつくったチャンスは、3、4、5番の3人で何とかかえすという形にすればいいんだから、お前が一人でプレッシャーを背負う必要なんてない。自分らしくやればいいんだ』と。自分が決めよう!と考えるよりは、次、福留さんがいるんだし、そのためにできることを考えたほうが打席のなかで余裕ができる。気持ち的には随分楽になった」

 この日のナイター練習では大声を出してムードメーク。カクテル光線の下、持ち前のフルスイングで最終調整を行った。

 「高揚しているけど、まだ冷静な自分がいる。始まれば、腹を据えてやる。これまでの野球人生で緊張したことなんてないけど、明日はしびれると思う。自分の気持ちがどうなるか…めちゃ楽しみ。長丁場だから波はあるけど、1年間元気を出してグラウンドに立とうということだけは決めている。つらさを表に出して同情を買うのは嫌。ダメだったら、反省する。切り替えて日々新たにやっていきたい。ファンもつらそうに野球をしている姿を見たくないと思う。いつも明るく前を向いてやっていきたい」

 どんなときも、上を向いて歩む。良太が阪神の新時代を切り開く。

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