藤浪、有言実行“無失点デビュー”

 「練習試合、阪神1‐1オリックス」(2日、安芸)

 阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=が2日、練習試合・オリックス戦(安芸)にプロ初登板初先発し、予定の2回を1安打に抑える“無失点デビュー”を飾った。藤浪は最速145キロの威力ある直球とカットボールを武器に2奪三振。初実戦のマウンドで大器の片りんを存分に見せつけた。

 安芸の穏やかな日差しが藤浪を優しく包んだ。期待を一身に背負ったルーキーのプロ初登板初先発。球場がざわつく中、藤浪は平常心でマウンドに上がった。藤井彰のサインに大きくうなずいて投じたプロ第1球。内角直球から、記念すべきデビュー戦は幕を開けた。

 先頭の坂口は打ち取った当たりながら二塁内野安打で出塁を許した。続く安達にはストライクが入らず無死一、二塁。ここで迎えたのは、10年のパ・リーグ本塁打王・T‐岡田だ。いきなり訪れた試練。だが藤浪は動じない。変化球を2球振らせて追い込むと、勝負球の内角低めへ鋭く落ちるカットボールで見事に“プロ初三振”を奪った。

 「藤井さんが内角へのカットボールのサインを出されたので、三振を狙いにいこうと思いました。自分の狙ったところでそこにしっかり投げられたのは良かったと思います」。本人も手応え十分の1球だ。続く竹原の打席で重盗を仕掛けられたが、藤井彰が二塁走者・坂口を三塁で刺して2死。竹原も投ゴロに仕留めてピンチを脱した。

 2回も先頭のバルディリスに四球を与えたが、宮崎から決め球のカットボールで2つ目の三振を奪う。続く原拓は遊ゴロで2死。その間に走者を三塁まで進められたが、斎藤を直球で右飛に打ち取った。予定の2回を1安打無失点。直球の最速は145キロを2度マークした。2日前に「打たれたいと思ってマウンドに上がるピッチャーはいない」と0封を宣言したが、自らの言葉を見事に体現した。

 順風満帆に見えた春季キャンプ。藤浪にも苦悩はあった。そんな時、心のすき間を埋めてくれたのが、大阪桐蔭・西谷監督からの電話だった。心配して何度か連絡があった中で、「フォームがバラバラなんです」と珍しく悩みを打ち明けることもあった。自分のすべてを知る恩師の言葉に救われ、勇気をもらった。

 期待を裏切らない投球に和田監督の頬も緩んだ。「ストライクゾーンにいった球は相手にバッティングさせていなかった」と球の勢いを絶賛。中西投手コーチも「走者を出しても動じていなかった。落ち着いて投げられていた。今後はイニングと球数を伸ばしていく」と高い評価を与えた。

 制球の乱れや投げ急ぎを反省点に挙げた藤浪は「今日、悪かったところを修正して次につながるピッチングをしたい」と次の登板を見据えた。球界を代表する大エースへ。藤浪が第一歩を踏み出した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス