「練習試合、阪神１‐１オリックス」（２日、安芸）

　新たな一歩を踏み出した黄金ルーキーをベテランが後押しした。阪神・藤井彰人捕手（３６）が、コンビを組んだ藤浪を好リード。宣言通りのゼロ封発進を援護射撃した。３０球のプロ初登板。和田虎の要が改めて藤浪の潜在能力の高さに舌を巻いた。

　四球も絡んだ２イニング連続の先頭打者出塁にも動じず、スコアボードにゼロを並べた藤浪の精神力と技術。ミット越しに受け止めた迫力と威圧感。制球難を即座に解消した修正能力。これが１８歳か。藤井彰が感嘆の声を漏らした。

　「ええもん持ってると思いますよ。決め球を投げる時に力んでたけど、ボールが先行しても修正能力があった。あれだけ腕が振れるのもすばらしい。まだまだ球速も出そうだし、これからが楽しみです」。リップサービスを抜きに賛辞の言葉が口を突いた。

　初回、１死一、二塁からの三盗を刺し、藤浪の力みを消した女房役。打撃では二回、技ありの右前打で好機を整えた。投げやすさと安心感を投手に与え、植え付けるのも捕手の重要な任務。藤井彰の存在感がクローズアップされた。